こんにちは、今回は私が普段、電気設備業として現場で経験したことをもとに
建設業の業種ごとの立場の格差というものを、包み隠さずお伝えしていこうと思います。
あらかじめお伝えしておくと電気設備業者は弱い方の業種ですので、肩身が狭いことが多いです。
なぜそんな格差が生まれてくるの?
「実際のところ、そんな格差はないんじゃないの?ただの思い込みですよ」みたいな意見も出てくる内容かと思います。
本来であればどの業種も平等であるべきですが、さまざまな要因によって微妙に立場の差が生まれてきているのが事実だと思います。
私が考える要因としては
・ゼネコンとサブコンとの違い
・施工する順番
これらがあると思っております。
それぞれの理由について、なぜそう思うかを掘り下げてお話していこうと思います。
ゼネコンとサブコンとの違い
皆さんはゼネコンとサブコンという言葉の違いはご存じでしょうか。
ゼネコンというのは、ゼネラルコントラクターの略で「総合請負者」を意味しています。
いわゆる元請けと呼ばれるものですね。
施主から直接工事を受注する会社ということになります。
サブコンというのはゼネコンの下請けになりますので、ゼネコンから各業種は仕事をもらう形になります。
つまり、施主 → ゼネコン → サブコンとった流れで仕事を依頼するため、
基本的には自分たちに仕事をくれるお客様には頭が上がらない状態なのです。
そういった中で一緒に仕事をするので、どうしてもお互いが工事でかち合ってしまったときには
譲らざるを得ないことがあるのです。
作業するのはサブコンだけじゃないの?
実際に作業する人たちはゼネコンから仕事を請け負ったサブコンになります。
そこから1次下請け、2次下請けとそれぞれに発注していくのですが、建物の枠を作る建築の仕事は
ゼネコンの担当者が施工管理を行います。
それとは違い、設備系(電気、空調、水道etc)はゼネコンでは専門としていないため、サブコンの担当者が
施工管理を行うようになっています。
そういった理由から、担当者同士の打ち合わせの時もゼネコンの担当者とサブコンの担当者が
話すことになるので、優先としてはゼネコンの担当者のやりたいこと、やりたい日程を聞いて
それに合わせられるかどうかといった視点から話を進めていきます。
どうしても調整が厳しい場合はお願いするのですが、感覚的には建築:設備の立場は7:3くらいではないでしょうか。
建築の3大業種
ゼネコンは建物に付随する設備があまりなかった時代から建物を建てる仕事をしてきている
という流れがあるため、建物という箱を作ることが一番と考えている傾向があります。
そのため設備業者に対する風当たりは厳しいです。
設備系の立場からすると、設備がきちんとしない建物は倉庫でしかないですから
設備があって初めて、倉庫から建物になると思っています。
この考え方の違いが対立を生むわけですね。
立場は 建築>設備 というのはお伝えした通りですが、その中でも建物の骨となる躯体工事に関わる
業種が一番強い立場となっているのです。
具体的には
・とび職
・鉄筋工
・大工
この3業種になります。
とび職の方が鉄骨や柱などの工事を行い、鉄筋工の方が基礎などの工事を行います。
大工は基礎のコンクリートを止める型枠を組んだりしますので、こちらも躯体には大切な工事です。
この3業種は特に優遇されています。
なんて言ったって、この人たちの作業が終わらないと、ほかの人は何もできないからです。
施工する順番について
建物を建てる基本的な流れは決まっておりますので、当然ながら先に作業する人がいてその業種の方々が終わってから
次の業種の方々の作業に移るといった感じになります。
変更などで工程が遅れたりすると、その遅れのしわ寄せは後から作業する人の時間を短縮することで調整されていきます。
あとから作業する業種、つまり仕上げを担う業種や設備系になるわけです。
日程が短くされる中、何とかして作業をする必要があるため日程的にも厳しくなるのです。
仕上げでも担当者がゼネコンであれば、融通も聞かせてもらえるということもありますが、設備系は厳しいことが多いです。
また、たくさんある業種の人たちがそれぞれの仕事があるため、同時期に同じ場所で作業することもよくあります。
中でも設備系は基礎や壁、天井の中などいたるところに仕込みをしなくてはいけないため、必然的にほかの業種の方が
作業している合間でどうしても入って作業をしに行く必要があります。
他の業種の方からすれば単純に邪魔でしかないため、あまりよく思わない方も多くいたりします。
そういったところもうまくやっていくのが、現場担当者の腕の見せ所ですね。
まとめ
ここまで建設業における表立っては言われていない立場の違いについてお伝えしてきました。
今はこういった状況はかなり改善されてきているのですが、それでも昔からずっと建設業をしている
現場担当者、作業員などはこういった格差を当たり前と認識しているのでそういった雰囲気を出されることもあったりしますね。
基本的には皆さんいいひとばかりですので、みんなが協力して竣工できればそれが一番ですね。
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