ボイラーを取扱う業務には特別な資格が必要です!【ボイラー技士】

前回の記事では、ボイラーに関する資格で下記のものについてお伝えしました。
・小型ボイラー取扱業務特別教育
・ボイラー取扱技能講習
・普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習
・化学設備関係第一種圧力王容器扱作業主任者技能講習
今回は、
・ボイラー技士免許(特級・一級・二級)
について詳しくご紹介していきます!
ボイラー技士
ボイラー技士免許を取得した者は、空調設備や温水ボイラーの操作・点検業務に従事することが可能となります。この資格は、労働安全衛生法で定められた国家資格の一つですので、厚生労働省の管轄となります。
こちらの免許は、特級・一級・二級と区分されており、それぞれ従事できる業務の範囲が異なります。ただし、取扱いできるボイラーの種類は区分に関係なく、「全てのボイラー」とされています。

<特級ボイラー技士>
全てのボイラーを取扱うことができ、かつ全てのボイラーの取扱作業主任者になることができる。
<一級ボイラー技士>
伝熱面積の合計が500㎡未満のボイラー取扱作業主任者となることができる。ただし、貫流ボイラーのみを扱う場合は、伝熱面積の合計が500㎡の場合も含む。
<二級ボイラー技士>
伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラー取扱作業主任者になることができる。
このように、これらの級の区分では、作業主任者として従事できるボイラーの規模が区分されていることがわかりますね。前回ご紹介した「ボイラー取扱技能講習」でも作業主任者として従事することができるのですが、それはあくまで「小規模ボイラー以下」の作業主任者としてで、それ以上のボイラーの取扱作業主任者になるには、いずれかのボイラー技士の資格が必要となることを覚えておきましょう。
<ボイラー技士免許交付要件>
この免許は、試験合格のほかに必要実務経験が必要となります。それぞれの級で必要な実務経験について、簡単にご説明していきますので、ご参考にしてください。
特級…一級ボイラー技士免許を受けた後、5年以上の実務経験または、3年以上のボイラー取扱作業主任者の経験
一級…二級ボイラー技士免許を受けた後、2年以上の実務経験または、1年以上のボイラー取扱作業主任者の経験
二級…満18歳以上の者で、下記のどれかに該当する者。
・大学、高専、高校、中学のうちボイラーに関する学科を卒業しており、実務経験(実地修習)が3ヶ月以上ある
・ボイラーの取扱いに関して、6ヶ月以上の実地修習経験がある
・ボイラー取扱技能講習を修了し、その後4ヶ月以上の小規模ボイラー実務経験がある
・エネルギー管理士(熱)の免許を持っており、1年以上の実地修習経験がある
・海技士(機関1・2・3級)免許を受けた
・ボイラー、タービン主任技術者(1種または2種)の免許を有し、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーの取扱経験がある
・海技士(機関4・5級)免許を受けたもので、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラーの取扱経験がある
・ボイラー実技講習修了者
・既に廃止されているが、鉱山保安法に関するもので汽かん係員試験に合格し、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラー取扱経験がある。
・鉱山にて、伝熱面積の合計が25㎡以上のボイラー取扱経験がある。
・ボイラー運転に関する規定の職業訓練を修了
これらの経験と合わせて、それぞれの級の試験に合格することで各ボイラー技士の資格を取得すること
ができます。これとは別に、各級の受検資格というものもありますので、注意が必要です。ちなみに、特級・一級はそれぞれ受験資格が定められていますが、二級については誰でも受験できることになっています。
<試験科目>
各級とも科目は下記の通りです。
・ボイラーの構造に関する知識
・ボイラーの取扱に関する知識
・燃料及び燃焼に関する知識
・関係法令
<ボイラー技士の仕事>
ボイラーに関する仕事というのは具体的にどういったものなのか、確認しておきましょう。特に、整備・点検というのはイメージしやすいかと思いますが、実はボイラーに使用する燃料の管理などもボイラー技士の仕事に含まれています。例えば、燃料は重油などの液体燃料やガスなどの気体燃料が挙げられます。こうした燃料の管理や補充なども業務に含まれます。また、ボイラー内ではそういった燃料の燃焼が行われています。燃焼には空気が必要ですので、こうした空気量を調整するのもボイラー技士の仕事となります。さらに、ボイラーが正常に作動できるように、清掃するのも仕事の一つです。
ボイラーが設置されているビルや商業施設などでは、管理業務として常駐する場合もあるかもしれませんが、管理会社に所属して様々な場所に赴いてボイラーを管理していくという場合もあるでしょう。また、ボイラーの資格だけで就職を狙うよりもビルメンテナンスに関わる資格も一緒に取得する方がより就職で有利となります。例えば、第二種電気工事士、危険物取扱者乙種4類、第三種冷凍機械責任者などです。これら3つの資格と、二級ボイラー技士の資格を合わせて持っていると、ビルメンテナンスの仕事ではかなり有利になるでしょう。





