【橋づくりに関わる】橋の歴史から橋に関わる特別な資格までご紹介します!

橋とは、一般的には川を渡るために造られるように感じますが、実際には川だけでなく水路や窪地、道路を渡る際にこれらを乗り越えるために造られるものを橋と定義します。今でこそ、鉄骨で作られた丈夫な橋が見られますが、これもまた歴史と共にそうなっていっただけで、当初はもっと簡素で危ういものでした。さて、今回はこうした橋の歴史についてご紹介していこうと思います。

 

橋の起源

日本の歴史の中では、弥生時代の中期ごろには橋がつくられていたということが最近になってわかってきました。この頃、だんだんと集団生活を始めるようになった人間たちは、自治体を形成されるようになります。こうした自治体どうしが、食物や土地をめぐって争うようになった頃、外敵の侵入を防ぐために集落を囲う濠(ほり)がつくられるようになりました。これを渡る目的で、橋が架けられていたとされています。実際に、当時の橋の遺構が発掘されています。

 

橋の種類

さて、橋といっては色々な形がありますね。分類のしかたもいくつかあるのですが、今回は形式別という分類でご紹介していきます。

 

桁橋…最も古くからある一般的な橋です。鋼・コンクリート・木材などによって造られることが多く、基本的に水平な桁をもうける橋の架け方です。

 

トラス橋…棒状の部材を三角形に組み合わせ、その好転をピンでとめるトラス構造形式の橋です。主に、鉄道橋で用いられます。

 

アーチ橋…最近ではコンクリートや鋼などが用いられますが、古くは木や石によってつくられていました。上向きのアーチを利用した橋の形式です。

 

ラーメン橋…ラーメンというのはドイツ語で「鋼節骨組」という意味です。橋脚と主桁が結合された骨組みを用いた形式のことを指します。耐震性が高く、高速道路などで用いられますが、一般的ではありません。

 

つり橋…ロープやケーブルなどを用いて、床板を吊り下げた状態の橋。

 

斜張橋…つり橋の一種で、支点となる主塔から斜めにケーブルを張り、橋桁を吊ったものです。見た目が美しいので、最近よく使われる形式です。

 

エクストラドーズド橋…高さが比較的低い主塔から主桁を指させる構造の橋です。建設コストが低いため、最近よく使われるようになってきました。

 

瀬戸大橋

日本は島国ですから、海を結ぶ橋も重要な交通拠点となります。特に大きな橋として有名なのが瀬戸大橋です。瀬戸大橋というのは、岡山県倉敷市と香川県坂出市を結ぶ10の橋の総称です。この橋は、車だけでなく鉄道も走っています。このため、鉄道道路併用橋とされますがごの分類としては世界最長の長さであるため、ギネスブックに記録されています。

1978年に着工された瀬戸大橋は、完成まで9年と6ヶ月の期間を要しました。大工事ですね。延長13.1kmにもなり、形式としてはつり橋・斜張橋・トラス橋の3種類を併用して作られています。

 

こうした今日期間かつ大規模な工事によって、四国へのアクセスの利便性が格段に高くなったわけです。このように、橋は架ける場所によって人々に大きな交通の変化と経済効果をもたらすことがあり、これからの人類史においても欠かせない建造物となっています。

橋作りに携わるには

こうしたロマン溢れる「橋づくり」の世界ですが、橋の設計以外にも現場で工事に関わることが可能です。その場合、必要な資格があるのかどうか、今回はそちらにも触れておこうと思います。

 

重機オペレーター

大規模な工事には欠かせない、重機を扱う資格です。こちらの記事を参考にしてください。

重機の免許や資格は重宝される!特別教育で取得できる重機の運転資格とは、種類と取得費用を紹介

鋼橋架設等作業主任者

さて、今回はこちらについて詳しくご紹介していきます。「こうきょうかせつとうさぎょうしゅにんしゃ」と読みます。橋梁の上部構造であって、金属製の部材により構成されるもの(高さ5m以上であるものに限る。)の架設、解体または変更の作業を行なう場合は、作業主任者の設置が必要です。作業主任者は特定の技能講習を修了した者の中から選ぶことができます。

 

技能講習の内容

<学科>

・作業の方法に関する知識(5時間)

・工事用設備、機械、器具等に関する知識(1時間半)

・作業環境等に関する知識(1時間半)

・作業者に対する教育等に関する知識(1時間半)

・関係法令(1時間半)

・修了試験

 

学科11時間を受講したのち、修了試験に合格すれば資格を取得することができます。ちなみに、「鉄骨の組立て等作業主任者技能講習」を修了している者は、一部受講科目が免除されます。

 

受講資格

さて、今回ご紹介した技能講習は誰でも受けられるわけではありません。

①橋梁の上部構造であって、金属製の部材により構成されるものの架設、解体又は変更に関する作業に3年以上従事した経験がある。

 

②大学、高専、高億などにおいて土木又は建築に関する学校を専攻し、これを卒業した者で、その後2年以上鋼橋架設などの作業に従事した経験がある。

 

③その他、既定の訓練を修了した後、2年以上鋼橋架設などの作業に従事した経験がある。

 

このようになっています。最初から橋づくりに携わりたいと考えているなら、土木関係の専攻で勉強するのがよいでしょう。ただ、それができなかったとしても、橋づくりに関わる道が閉ざされるわけではわりません。しっかり経験を積んで、作業主任者となるのも素敵な夢ですね。

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