騒音は人体に有害?騒音作業従事者労働衛生教育ってなに?①

みなさんは、日常生活の中で「騒音」というと、どんな音を思い浮かべますか?生活を送る上で支障が出るような音は、騒音として嫌われますよね。例えば、工事現場・建設現場などで利用する機械が出す騒音や、航空機の騒音などがあげられますね。そういった大きな機械による音だけでなく、日常生活の中で出る掃除機や話し声なども度が過ぎると生活騒音とされます。実は、騒音は公害の一つに数えられ、酷ければ人の健康を害する影響を与えます。このため、特に建築現場や工事現場など、騒音で作業者や近隣住民の健康を害さないように、様々な対策が取られています。今回は、騒音に着目して詳しくご説明していきます。

 

騒音の単位

こちらの動画では、工事現場での騒音計の様子を見ることができます。76という数字の後に、見慣れないアルファベットが並んでいます。これが、騒音の単位として使われている「dB(デシベル)」です。このデシベルは、一般的な音の感じ方を大まかに4つに区分することができます。静か・普通・うるさい・きわめてうるさい、この4つです。例えば、きわめてうるさい状態の例をあげると、ジェット機のエンジン付近です。これは、120dBもの騒音値となり、聴覚に異常をきたすレベルとなります。動画の76dBの場合は、うるさいときわめてうるさいの中間に位置し、この付近ではかなり大きな声を出さないと、会話ができないレベルとなります。

 

騒音から住民をまもるための基準

後ほど詳しくご説明しますが、騒音によって人の体に異常が出る場合があります。これを防止するために、日本では様々な対策が施されています。例えば環境基本法では、分類した地域に対して更に昼間・夜間という時間の中で、騒音に対する環境基準値を設けています。具体的な例としては、住宅地の場合、昼間は55dB以下・夜間は45dB以下という数値が設定されています。ただし、この環境基準値は、航空機騒音や鉄道騒音、建設作業騒音には当てはめられません。これらに関係して、騒音規制法という別の法律が存在します。この法律では、工場や建設作業場の騒音を規制するために、どういった環境下で騒音規制を講じるかという基準が設けられています。

上記内容については、環境省が中心となっている法律です。これらに対して、次回詳しくご説明する内容に関しては、厚生労働省の管理下にある安全衛生規則や騒音障害防止のためのガイドラインといったものもあります。

 

騒音が人体に及ぼす影響とは

騒音による健康被害にはどういったものがあるのでしょう。

 

・聴力障害

・睡眠障害

・精神疾患

・集中力の低下

・頭痛

・視力低下

・脳機能障害

 

これらは、心理的影響と生理的影響に区分されます。騒音レベルによって、人の体に与える影響は以下の通りとなります。

 

心理的影響…3~65dB

心理的影響と生理的影響…65~85dB

心理的影響と生理的影響、内耳障害など…85~120dB

高度内耳障害…120~dB

 

音は耳に直接的な影響を与えますが、耳と脳は密接な関係にあります。ですから、耳に大きな影響があった場合、脳にもその影響が及ぶリスクは高くなります。このように、騒音は様々な影響を人体にもたらすことがわかっています。こうした、騒音が発生する現場で作業する労働者は、音を減退させるイヤーマフなどの保護具を装着するようになっています。また、こうした現場で騒音性難聴を患った場合は、労災として認定されることになっています。この難聴は、一時的に聴力が低下する短期的な症状もありますが、聴力が低下してその状態が永続的に続く場合もあります。初期症状は生活の中でなかなか気づきにくく、進行してしまうと会話に支障が出るレベルまで聴力が下がってしまいます。こうした騒音障害を防止するためにも、騒音現場で働く労働者には騒音に関する知識の習得が求められます。

 

100dBの建物解体工事による騒音訴訟

とは言っても建設現場や工事現場で日々働く人はたくさんいますし、その近くで暮らす住民だってたくさんいますよね。特に最近では規制が強化されているので、実際に生活の中で騒音による健康被害に遭われる方は少ないのかもしれません。しかし過去には、実際に騒音による精神的苦痛を訴え、工事現場付近の住民が建設土木工事を請負う会社に対して訴訟を起こしています。この時、現場で発生していた騒音は100dBとされ、原告は165万円の支払いを命じられています。

このような訴訟が起きる可能性もあることから、特に建設現場や工事現場の管理者には騒音に関する知識も求められています。

 

まとめ

今回は主に騒音について、詳しくご説明しました。特に、騒音によって受ける健康被害は、一時的なものだけでなく、永続的に続く症状もあるということがわかったと思います。こうした騒音障害を防ぐため、厚生労働省は労働者に対して、安全衛生教育の受講を義務づけています。次回はこちらに関して詳しくご説明していきます。

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