電気工事における幹線工事の注意点!適当にケーブルを伸ばしているだけではないんです。
電気工事での幹線工事のやり方
こんにちは、今回の記事では受変電設備で外から受け取った電気をどのようにして分電盤と呼ばれる、ブレーカーが入っているところまでもっていくかをお話していこうと思います。
電気の中でも規模の大きいものですので、簡単なものでもないんです。
細かい決まりがあるので、そういった内容を知ってもらえればと思います。
受電設備から分電盤へ
幹線ケーブルを繋げよう
受変電設備では、内部で使用する電気のすべてを引き込んできております。
まず受変電設備から各所にある分電盤というところに電気をもっていきます。
その際に受変電設備と分電盤を幹線という太いケーブルでつなぎます。
幹線といいますが普通のケーブルとの違いはなく、単純に言うと太いケーブルだと思ってください。
字の通り、幹ですので分電盤から先に枝分かれして行く、電気のすべてがこの幹線という幹を通るため太さが必要なのです。
水の配管などをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
たくさん水が通る配管は太い必要があるのと同じことですね。
電圧降下には注意が必要
電流と電圧は反比例の関係にありますので、高電圧の時には流れる電流量はそれほど多くありません。
受変電設備で電圧を下げた後というのは電流量が多くなり、ケーブルを太くしなくてはならないのです。
あまり知られていないのですが、電線を通っている間も電気というのは少しずつ消費されていきます。
その消費される電気は電流が多くなると一緒に多くなってしまいます。
そして電気が消費されると電圧が下がってしまうため、注意が必要なのです。
電圧を下げないための対策
電圧を下げないために対策することとしては
・ケーブルを太くする
・ケーブルを短くする
この2点があげられます。
ケーブルで消費される電気は、ケーブルが細いほど多くなり、ケーブルが長いほど多くなるのです。
実際のところ、家庭用のコンセントは100Vのイメージだと思いますが、受変電設備で変圧した電圧は110Vとか220Vになっているのです。
これはケーブルで消費される電気を考慮して、コンセントなどでいい感じに下がるのを想定しているからです。
じゃあ距離は短くできなくても、ケーブル太いのを使えばOKと思われる方もいるのではないでしょうか。
でも、ケーブルを太くするとお金がかかるんです。
つまり費用を抑えるにはケーブルを細くしたいけど、細くしすぎてはいけないというちょうど間のラインを計算で見つけていきます。
ケーブル一つ取ってもそういった苦労があるんですね。
幹線ケーブルを敷いていこう
ケーブルを引っ張っていくことを敷設(ふせつ)といいます。
幹線ケーブルはものすごく重いので、かなりの重労働だったりします。
どんな感じかというと、大の大人が4,5人がかりで綱引きしないと引けないくらい重いです。
しかも、一気に長い距離は引けないので、5~10mずつ引っ張っていくしかありません。
ケーブルの敷設方法はいろいろとありますが、幹線に関してはその重さのせいもあり、ケーブルラックと呼ばれるものに敷設することがほとんどです。
ケーブルラックっていったい何?
ケーブルラックはケーブルを並べて引いていける梯子を寝かせたような棚です。
ケーブルを並べる幅だったり、材質も様々で用途によって使い分けます。
ケーブルラックの設置方法は、天井コンクリートにアンカーと呼ばれるボルトを固定できるものを取り付け
そこから全ねじボルトといわれる長い長いねじを垂らして吊るすのです。
幹線ケーブルがたくさん乗るので、かなりの重さにも耐えられるようにしなくてはなりません。
そのため人が乗ったくらいではびくともしないのです。
ケーブルラックは一定間隔の吊り幅で吊らないといけないのですが、その幅についても建物自体の耐震等級によって定められているので、適当に吊っていってはいけません。
ケーブルラックでのケーブルの並べ方
ケーブルラックの上では何本もの幹線ケーブルが並んでいます。
この並びも適当ではいけないのです。
何本も並んでいる中でそれぞれに行き先があり、途中でケーブルラックから外れて分電盤に向かうのです。
ですが、適当に並べてしまうと途中で抜けるケーブルが真ん中にあったりすることも起こってしまうでしょう。
整然と並んでいるケーブルから真ん中のケーブルだけ抜けていったりしていくとそのうちケーブルが絡まってしまいますね。
そうならないように事前にルートを確認して、先にケーブルラックから出ていくケーブルを端に来るように並びを決めていきます。
こういったところも下準備が大切になってくるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
受変電設備から分電盤までケーブルを引っ張るにしても、こんなにも考えておかないといけない事柄があるんです。
設備というのはそこで過ごす人や物にとってなくてはならない設備ですので、きっちりとした基準が設けられているのです。
こうしてそれぞれの設備で電力が供給されて行っております。