防火設備の点検を行えるのは資格を持っている人だけ!

防火設備点検

建築物を建てる上で重要なのは、耐久性です。耐久性といっても耐震性、耐火性、耐水性…と、様々なものに対する耐久性が問われますよね。今回は、耐火性に関わる防火設備に着目してご説明していこうと思います!

 

防火設備とは

住宅ではイメージがつきにくいですが、商業施設や病院、学校などでは必ず防火設備がついていますよね。例えば、防火扉や消火栓、防火シャッターなどです。こうした設備によって、いざ火事が起きた時に炎が広がるのを防ぐことができるのです。こうした設備は、建築基準法という法律によって定められた場所に設置しなければならない義務があります。防火設備というのは、実は2つの条件を満たすものであるという定めがあります。

 

  • 国が政令で定める技術的基準に適合しているもの
  • 国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は、国土交通大臣の認定を受けたもの

 

これを満たしていない設備を設置しても法律を遵守したことにはならないので、注意が必要です。

特定防火設備

防火設備には2種類あって、一つが先ほど紹介した「防火設備」」で、もう一つが「特定防火設備」と呼ばれるものです、両者の違いは耐火・遮炎の持続時間となっていて、特定防火設備の方が性能が高い設備ということになります。このため、高い耐火・遮炎性を必要とする部分で、この設備の設置が必要となります。

 

防火設備・・・外壁の開口部や防火区画の一部など

特定防火設備・・・防火区画や防火壁の開口部、外壁の開口部、非常階段の出入り口部分など

 

防火設備の定期点検

建築基準法では、防火設備の定期点検をして報告することを義務付けています。この時、点検しなければならない設備は以下の通りです。

 

  • 防火扉
  • 防火シャッター
  • 耐火クロススクリーン
  • ドレンチャーその他の水幕を形成する防火設備

 

実はこの「防火設備定期検査」制度というのは、非常に最近になって制度化されました。平成28年のことです。なぜ、このような制度が確立されたかというと、平成25年に起きた福岡市の病院火災で防火扉が適切に管理されていなかったことによって、死者が10名、負傷者が7名出るという甚大な被害が出たからです。防火設備の点検を怠ったことで、火災による被害が大きくなるということは、実は結構起きていたのです。ですからここで、きちんと制度化をしてルールを設けることで、二度とこのような悲劇が起こらないようにという切実な願いが込められているのです。一般の住宅は該当しませんが、建築基準法が定める建築物は、必ずこの点検を行わなければなりません。もしこれに違反して、点検を怠ったり虚偽の報告をしたりすると、罰則を受けることになります。

 

  • 是正命令違反・・・3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人の場合は1億円以下)
  • 無報告、虚偽報告・・・100万円以下の罰金

 

こうした罰則を受けない以前に、多くの人の命を守るためにも、しっかりと年1回の点検を行って欲しいものですね。

 

必要な資格とは

さて、実はこの防火設備の点検を行うためには、必要な資格があるのです。ここでは、その資格についてご紹介していきます。

 

  • 一級建築士
  • 二級建築士
  • 防火設備検査員

 

建築士は、建築基準法を熟知し、防火設備を含めた建物の設計に携わりますから、この資格をもって防火設備の点検に当たることができるのもよくわかりますね。一方で、防火設備検査員というのはなかなか日常では聞かない資格かもしれません。まさに、防火設備の点検に特化した資格と言う感じがしますね。詳しく内容を見ていきましょう。

 

防火設備検査員とは

この資格は、防火設備の点検義務化を受けて平成28年に新設された国家資格です。登録防火設備検査員講習の学科、実技講習を修了することで、その資格を取得することができます。講習は、一般財団法人日本建築防災協会によって行われます。設備点検というと、設備の見た目だけでなくそのシステムが正常に機能するかどうかという点で、機械についての知識も必要となります。このため、受講資格が細かく定められています。

 

<受講資格>

(イ) 大学の正規の建築学、機械工学または電気工学に相当する課程を卒業し、実務経験2年以上の者。

(ロ) 3年制短期大学(夜間を除く)の正規の建築学、機械工学または電気工学に相当する課程を卒業し、実務経験3年以上の者。

(ハ) 2年制短期大学又は、高等専門学校の正規の建築学、機械工学または電気工学に相当する課程を卒業し、実務経験4年以上の者。

(ニ) 高等学校又は、中等教育学校の正規の建築学、機械工学または電気工学に相当する課程を卒業し、実務経験7年以上の者。

(ホ) 11年以上の実務経験(防火設備に関するもの)を有する者

(ヘ) 建築行政に関して2年以上の実務経験(防火設備に関するもの)を有する者

(ト) 消防吏員として5年以上の実務経験(火災予防業務に関するもの)を有する者

(チ) 感知器に関して消防設備点検資格者として5年以上の実務経験を有する者

(リ) 感知器に関して甲種消防設備士又は乙種消防設備士として5年以上の実務経験を有する者

(ヌ) 上記と同等以上の知識及び経験を有する者

専修学校、職業能力開発大学校等の相当する課程を修了し、一定の実務経験(防火設備に関するもの)を有する者

※防火設備に関する適切な教育を受け、かつ、一定の実務経験(防火設備に関するもの)を有する者(以下「防火設備実務者」という。)

※「防火シャッター・ドア保守点検専門技術者」((一社)日本シャッター・ドア協会による資格)など

 

<講習内容>

学科

・建築学概論(2時間)

・防火設備定期検査制度総論(1時間)

・防火設備に関する建築基準法令(1時間)

・防火設備概論(防火戸等に関するもの)(2時間)

・防火設備概論(連動機構に関するもの)(1時間)

・防火設備に関する維持保全(1時間)

・防火設備定期検査業務基準(2時間)

・修了試験(1時間半)

 

実技

防火設備検査方法

 

実技講習は、学科講習の最後に行われる修了試験に合格した者のみが受講できるというようになっています。学科講習が33000円、実技講習が27000円と合わせて60000円程度の費用がかかります。

この資格を持っていることで、建設業界はもちろんのこと、警備会社などでも手腕を発揮することができます。

 

まとめ

今回は、平成28年に定められた防火設備の定期点検についてと、その点検を実施できる資格をご紹介しました。建築士の資格を持つ場合は、設計の段階で防火設備の配置にも気を遣わなければなりませんし、当然防火設備に関する知識は持っていると想定されます。一方で、新設された防火設備検査員は、その知識に特化した人材であり、設備点検のプロとも呼べるでしょう。こうした資格を有効に活用する場合は、民間の設備点検会社や警備会社などに就職することで、よりその手腕を発揮することができると思います。講習を受けることで誰でも資格を取得することはできますが、講習自体を誰でも受けることができるわけではありません。講習を受けるには、ある程度の知識が前提であるということなのです。たかが点検かもしれませんが、人の命を守るための設備です。同じ悲劇を繰り返さないためにも、しっかりと知識のある検査員に検査してもらえると、建物の管理者も安心することができるでしょう。

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