鉛は有毒物質!鉛作業主任者技能講習についてご紹介します。

鉛とはかなり身近に存在する物質ですが、有毒性を持った人体に危険な物質でもあります。鉛を取扱う業務を行なう際には、作業主任者を配置することが義務付けられています。今回は、鉛中毒について詳しくご紹介し、鉛作業主任者技能講習の内容を説明していこうと思います。

 

鉛とは何か

鉛が身近に存在する物質と言ったのは、実はわたしたちが普段食べている食物にも含まれていることがあるからです。現在では、鉛を含んでいるからといって、その食物を食べることで病気になることはまずありません。

鉛は、大昔から人々の生活を支えてきた金属でもあります。非常に柔らかい性質があるので、大昔の技術でも加工しやすかったのですね。ですが、こうした歴史と共に、人々は鉛中毒にもおかされてきました。こうした背景があり、現在では鉛を扱う際には特別な資格が必要になっているわけです。

鉛の現在の用途としては、鉛蓄電池の電極や合金成分としての活用、鉛ガラスや美術工芸品(ステンドグラスのふちなどは鉛製が多い)などです。昔は、水道管やおしろいなどにも用いられていましたし、はんだを使用する際にも鉛が使われたことがありますが、今は別のものに置き換えが進められています。

鉛中毒とは

鉛による中毒症状は、突然起こるものではありません。鉛が体内に取り入れられると、この鉛を体外へ排出する作業に時間がかかります。この過程で、体内に鉛がどんどん蓄積されていくと健康に悪影響が及びます。また、鉛の有機化合物であるテトラエチル鉛などは、細胞膜を通して浸透するため、通常の鉛よりも早い段階で中毒症状が出るという場合もあります。

鉛中毒では、最初のうちは疲労感、睡眠不足、便秘などの症状として現れますが、蓄積量が増えるにつれて悪化していきます。急性中毒症状が起きると、嘔吐、腹痛、ショック症状などを引き起こ消火器や神経をおかしていきます。その後、脳にも影響が及び、最悪の場合は死に至ります。

このような中毒性があるため、先述したような水道管やおしろいなどに鉛が使われると、長い月日をかけて人体をむしばんでいく可能性があるのです。実際に、おしろいに鉛が使われていた時代は、役者などを中心に鉛中毒が見られていたという記録があります。このため、日本では1934年にはおしろいに鉛を使用するのが禁止されました。

銃弾にも鉛が使われることから、狩猟で用いる弾丸によって動物が鉛中毒になる場合もあります。このため、北海道では2014年に狩猟用の鉛弾の所持・使用が禁止されています。

 

鉛中毒とローマ帝国

ずい道とは?トンネル造りの歴史についてご説明します。

この記事でも少し触れたのですが、ローマ帝国では鉛中毒が既に確認されていたとされています。ローマ帝国では、水道管に鉛を使っていました。このため、鉛中毒が広がったという話があります。ただ、これは否定される見解もあるようです。鉛が水に溶ける性質は無いからです。

一方で、ローマ帝国では鉛を含んだ甘味料を使用していたという記録があります。また、ワインを製造する際の器具に鉛が多用されていたということで、ワインを醸造する過程で鉛を多く混入したということもあります。これが、古代ローマ人を鉛中毒に至らしめた原因であると考えられています。これを裏付ける証拠として、古代ローマ人の骨からは高濃度な鉛が検出されています。

古代ローマの人ではありませんが、かの有名な作曲家ベートーヴェンの死因も鉛中毒だったのではないかという話がありますね。これは、ベートーヴェンのものとされる遺髪から通常の人の100倍近い鉛が検出されたことで、そう考えられているようです。

 

現代人も鉛中毒になる可能性はある

鉛中毒は大昔の話!のようになってしまいましたが、鉛は今も身近にある物質です。扱い方を間違えれば、現代においても鉛中毒は発生します。特に、鉛を扱う仕事に就こうとしている人たちは、正しい知識を身に付けなければなりません。また、そうした健康被害から労働者を守るためにも、作業主任者の設置が義務付けられているのです。

 

鉛作業主任者技能講習の内容

 

<学科>

・健康障害及びその予防措置に関する知識(3時間)

・作業環境の改善方法に関する知識(3時間)

・保護具に関する知識(1時間)

・関係法令(3時間)

・修了試験

 

学科10時間の受講の後、修了試験に合格することで資格を取得できます。費用は12000円程度となっています。なお、受講資格は特になく、18歳以上であれば誰でも受講することができ、転職や就職に有利となる資格です。

 

まとめ

今回は、人間の生活に身近な鉛の取扱いに関わる歴史と、特別な資格についてご紹介しました。現在鉛を扱う仕事に就いていて、今後その仕事の中で昇給を目指すなら必要不可欠な資格になりますね。また、転職や就職にも有利な資格となりますので、興味がある人は受講を検討してみるのもよいのではないでしょうか。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 登録されている記事はございません。
ページ上部へ戻る