足場組立、単管足場、くさび足場について

足場組立 単管足場 くさび足場 について

足場とは、建築現場などで、高い場所で作業をする作業員が足をかけるために、パイプなどを使用して組み立てた構造物を指します。
昔は、工事現場でも、丸太が足場によく使われていたのですが、最近では、パイプが使用されることが多くなりました。足場の種類はたくさんあり、例えば、単菅足場や丸太足場、手すり先行工法、つり足場、可搬型ゴンドラ、移動昇降式足場など様々な方法で足場を作っています。

そこで、今回は、足場組み立てについて、最もよく使われていると言える、「単管足場」 「くさび足場」の2つを中心に解説していきたいと思います。

1. 単菅足場とは

直径48.6mmの単管と呼ばれる鉄パイプを組み合わせて建てる足場のことです。鋼管で作られた単管パイプに、クランプなどの基本部材を組み立てるタイプが多いです。単管パイプ同士はクランプをかみ合わせ、ボルトを締めて接合します。なお、単管パイプには両端にピン/ダボと呼ばれる抜け止め加工がされています。これは、固定ベースやジョイントと繋げるために使用されることがあります。

基本構造部材は、単管パイプ・固定ベース・クランプ・単管ブラケット・足場板・ジョイントです。(下記に用語解説あります) 部材がホームセンターなどで簡単に購入できるため、一般の人でDIYが趣味な人にもよく使われるものになっています。さらに、パイプ同士を金具で噛み合わせてボルトで締めるだけなので、組み立ても簡単です。

また、単管パイプは最長6mのものを用途に合わせてカットして使用することが出来ます。ただし、ピン/ダボ加工がしてあるものあります。カットしてしまうと目的の用途に使えない場合もあるので注意しましょう。

このように、単管パイプとクランプを軸に、柔軟に形状を変化させることが出来るので、狭い場所でも足場を組むことが可能です。また、小規模な工事、作業現場や狭いビル間での足場に用いられることが多いとも言えます。

なお、単管足場には、普通管とライト管の2種類があります。

普通管
直径:48.6mm
厚さ:2.4mm
重さ:2.73kg/m

ライト管
直径:48.6mm
厚さ:1.8mm
重さ:2.08kg/m

新しく開発されたのが、ライト管です。重さが2.08kg/mと比較的軽量なのが特徴です。
しかも、軽量で運びやすいだけでなく、強度も強いです。そのため、価格は、普通管に比べるとコストが高くなるでしょう。

☆用語の確認☆
単管・・・建築工事で使用する直径が48.6mmの鋼材
固定ベース・・・足場枠を仮設する際重要な基礎となるもの。強度と耐久性に優れた素材を使用し、安全性を確保するのに役立つ
クランプ・・・材料を作業台に固定する工具。「締め具」ともいわれ、作業時に手を使わずに材料を安全確実に押さえる事が出来る。接着剤が乾燥するまで一時的に材料を押えておくのにも使用される
単管ブラケット・・・強度や安全性が高い。 ボルト(クランプ)で部材をしっかりと固定するため、高い安全性が確保される
ジョイント・・・パイプなどの接合部分。継ぎ目。また、接合用部品のこと

〜単管足場のまとめ〜

・狭い場所でも足場を組むことが可能
・普通管とライト管があり、ライト管が運びやすい
・軽くて柔らかいため、カットすることが可能
・ホームセンターなどで簡単に購入できるためDIYにも使える

2. くさび足場

一定間隔に緊結部を備えた鋼管を支柱とし、そのほかの支柱の緊結部にくさびで緊結するタイプの足場をさします。簡単に組み立てが出来ることが特徴です。
基本部材構成は、ジャッキ、支柱、手摺、踏板、ブラケット、筋交、鋼製階段、先行手摺、壁当てジャッキです。(下記に用語解説あります)

昔は、木造家屋などの低層住宅工事用の足場になっていましたが、近年では中層建築工事用、もしくは高層建築物の外壁の塗り替え時に使われています。
さらに、短期間の補修工事に使用されることも増えてきています。

クサビ式足場タイプの見分け方として大きく3種類ご紹介します。

A. キャッチャータイプ
特徴として、支柱についているクサビポケット(コマ)間の有効寸法が450㎜ということが挙げられます。これにより、1層のスパンが1800㎜になります。
このタイプの利点は、施工解体が早いこと、国内で1番普及しているため互換性のある商品が多く販売されています。( 国内で使われている50%のクサビ式がこのタイプに該当します。)、価格面、納期面において手に入れやすく、コストを重視する人はこのタイプを利用します。

B.ビケタイプ
もともと、低層足場(戸建住宅など)使用を重視して作られた商品です。そのため、踏板、ブラケットに他には無いクサビポケットが付いており(下図参照)施工後に揺れの少ない安全な足場が完成します。デメリットとしては、揺れの少ない安定した足場を求めるため、サビの打ち込み、抜きの作業が多くなり手間が掛かる事です。値段は割高です。

C.三共タイプ
手すり、ブラケットのクサビが鉄板の形状です。メリットとしては、軽く、施工が早い事と、材料の軽さ、扱いやすさが挙げられます。デメリットとして、クサビが板状なため、足場完成時に他タイプと比べると揺れが大きい事が挙げられます。また、手に入れにくく、価格も高いです。

☆用語の解説☆
ジャッキ・・・足場の最下部に使用する資材。
手摺・・・コマに緊結するためのくさびが左右についている鋼管
踏板・・・手摺やブラケットを使用し、鉄鋼で作られた、踏んで渡る板
筋交・・・柱と柱の間に斜めに入れて建築物や足場の構造を補強する部材
壁当てジャッキ・・・足場が内側に倒れないように設置する資材

〜くさび足場のまとめ〜

・ハンマーで簡単に組み立てができる
・一つ一つがコンパクトになる
・亜鉛メッキ処理により、錆に強い
・耐久性がある

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