美しい線を描く道路区画線作業員!ライン施工機を使った仕事とは?

道路区画線作業員

道路に描かれている表示や、駐車場の区画線などを描く仕事があるのはご存じですか?最近では、その施工の様子がSNSなどにアップされて話題を呼んでいます。さて、今回はそういった仕事を担う「道路区画線作業員」にスポットをあて、その魅力に迫っていきましょう。

 

道路区画線作業員とは

こちらの動画のように、道路にひかれている白線や表示を描くのがライン引き職人のお仕事です。他にも、駐車場の区画線や標識などの描画も職務に含まれます。道路上の白線と言えば、一番目立つのは横断歩道でしょうか。それも道路区画線作業員の手によって描かれています。こうしたライン引きを中心とした道路工事関係会社などにも道路区画線作業員は存在していますが、塗装業に分類されることもあって塗装会社やリフォーム会社などでも同じように道路区画線作業を行う場合があります。

 

ライン施工機

先ほどの動画では、作業員の手動で機械が動かされていると思います。こういったラインを引くための機械を、ライン施工機と呼びます。押し車のような小型のもので、作業員が手元でハンドルを操作するタイプのものは、手押し施工機と呼びます。トラックのような形をしていて、荷台に塗料を溶かす窯を積み、ライン引きを行うことができる大型ペイントマーカー車と呼ばれる特殊車両もあります。

 

ライン施工の種類

ライン引きに使われる塗料ですが、原料は大まかに2種類あって、施工方法も塗料によって異なります。一般的に使用されるものは、溶融手動式という施工方法です。塗料の原料が粉末となっていて、それを焼く200℃程度の高温で溶かして液体にします。熱いままの塗料をペイントしていき、温度が下がると固形化されていきます。この方法だと、ペイントしたラインに厚さを持たせることができ、道路上を走る車による摩擦の影響に強く、耐久性が高いという特徴があります。すぐに消えてしまうと困りますもんね。

これに対して、常温手動式という方法があります。これは、元々液体の塗料を使って、ラインを引いていくというものです。この施工の場合、塗料が安いため安価で簡単に施工することができますが、溶融手動式でペイントしたラインのような強度はないので、工事中の仮ライン引きの場合などに使われることが多いです。一般道路や駐車場では、上記2種類の施工方法が一般的ですが、実は他にも様々な施工方法があります。

道路のラインは、昼間も夜もハッキリと見えるように、工夫がされています。表面に、ガラスビーズというガラスの粒がたくさん塗布されているのです。これを行うことによって車の光を反射するので、夜でもハッキリとラインが見えるわけです。

ちなみに、ラインではなく少し複雑なイラストやマークが道路に描かれていることがありますよね。例えば、画像のようなマークです。これは、溶融シートといって複雑な図形やマークが描かれているシートを置いて、加熱することで道路に貼り付けることができるのです。

道路区画線作業員の仕事内容

道路区画線作業員の仕事は、ライン引きだけではありません。美しいラインを引くために、前後でやらなければならないことは色々あります。その内容を見ていきましょう。

 

①現場確認、測量

②施工箇所の清掃

③下書き

④プライマー塗布などの下処理

⑤ライン引き

 

測量に関しては、専門の技術や知識を持った人が行いますが、ラインを引くためには様々な業務が含まれることがわかりますね。ちなみに、プライマー塗布というのは、ラインの塗料がより密着しやすくするために行う下処理です。これを行わない場合ももちろんあります。

 

道路標示施工技能士

さて、こうしたライン引きの仕事にも、資格が存在します。ただ、これを持っていないとこの仕事ができないというわけではありません。この資格を持っていることで、現場監督などの上位職に就くことができるというものです。道路標示施工技能士は、技能士ですので国家資格です。さて、この資格はどのようにして取得するのでしょうか。その内容を見ていきましょう。

 

<受験資格>

実務経験3年以上

ただし、学歴によって異なる

 

<試験内容>

学科

・路面標示一般

・路面標示作図法

・路面標示施工法一般

・関係法規

・安全衛生

・選択科目(溶融ペイントハンドマーカー施工法・加熱ペイントマシンマーカー施工法)

 

実技

・選択科目(溶融ペイントハンドマーカー施工法・加熱ペイントマシンマーカー施工法)

 

道路標示施工技能士は、単一等級となっていて実務経験も他の技能士と比べて少なく設定されています。

http://www.zenhyo-tokyo.com/shikaku_romen.pdf

こちらをご覧になるとわかりますが、学歴によっては実務経験が必要のない場合も多いです。このため、比較的取得しやすい資格かもしれないですね。ただし、多くの人の目に触れ、長くその場に残る仕事ですから適当なことは許されませんし、ライン引き自体は集中力を要する繊細な仕事であることに変わりありません。こだわりが強く、職人肌の人向きの仕事かもしれないですね!

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