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締め付けトルクって何?
こんちには、今回の記事では電線を端子に接続する際に確認しておくべき、締め付けトルクについてお話をしていきたいと思います。
締め付けトルクという言葉はあまり聞き慣れない方も多いと思います。
トルクという言葉の意味は回転軸周りの力のモーメントとなっています。
簡単に言うとネジなどを占めることで発生する力の大きさを示していると思っておいてもらえればそんなに外れてはいないと思います。
締め付けトルクを管理する必要性
電線を端子台に接続する際にはさまざまなサイズのネジを使用することになります。
当然ながらネジの大きさが違うので、ネジを締め付けるトルクについてもそれぞれ変わってくるのです。
人間の感覚だけでトルクを管理するのは不可能です。
基本的に締め付けが足りないことに対して不安があるため、必要以上の力で締めがちになってしまいます。
最近では、ネジの材質もいろいろなものがあり、どのネジも同じ力で締めればいいというものでもありませんし、トルク管理についてはきちんと工具を使用して確認する必要があります。
締め付けトルクが不十分だった場合
締め付けが不十分であると電線がうまく接続されず電気がうまく流れなかったりしますので、不良工事となってしまいます。
ただ、接続不良で電気が流れない程度であれば、締め直せばいいだけなので、そんなに気にしなくても良いのですが、中途半端に接続できてしまっている場合、意外とそのまま使い続けてしまうこともあります。
ですが、接続不良の場合、一見きちんと接続できているように使用できても、その端子での抵抗が高くなってしまっていることがほとんどですので、そのまま使用をし続けると接続不良の端子が燃えます。
これは大げさな表現などではなく実際に黒こげになりますし、ひどいときには火が出ることもあります。
きちんと接続されていない接続端子というのはそのような危険性を含んでいるとおぼえておいてもらいたいです。
締め付けトルクが強すぎた場合
締め付けが強すぎると今度はその締め付けの力に耐えきれず、ネジがちぎれてしまうようになります。
これを破断と言って、破断に達するまでのトルクを破断トルクといいます。
そのままですね。
ネジによって締め付ける事ができる仕組みとして、ネジの頭の部分で押さえつけることできちんと接続できるので、その頭の部分がちぎれてしまった場合、当然ながら締め付けをきちんと行うことができません。
そこで接続不良となった場合は、先ほど書いたのと同様に接続箇所が燃えます。
一度、破断するまで締めてしまうと破断したネジがそのまま残ってしまうので、その対応にも苦労しますので締め付け過ぎは絶対にやってはいけないことなのです。
締め付けトルクを管理するための工具
締め付けトルクを管理するために使用する工具についてご紹介していこうと思います。
大きなボルトの場合
使用する工具はトルクレンチと呼ばれる工具になります。
この工具は指定した力で締め付けることができる工具ですので、既にしまっているネジに対して、どの程度の力で締め付けられているかを確認するための工具ではありませんので、その点は要注意です。
トルクレンチにもいろいろと種類があり、大きく「直読式」と「シグナル式」の2つに分けられます。
直読式とは、締付けを行いながら直接そのトルクの数値を読みながら作業をするタイプになります。
直読式の種類は
・ビーム型
・ダイヤル型
この2つがあります。
シグナル式については、あらかじめ設定していたトルクに達すると音や振動などで知らせてくれるタイプになります。
シグナル式の種類は
・プレセット型
のみとなります。
例外として直読式とシグナル式の両方を備えているデジタルトルクレンチという物もあり、とても便利なのでおすすめです。
端子台のネジの場合
端子台のネジとなってくると、レンチではなくドライバーで締めていくことになります。
ですので、トルクレンチではなくトルクドライバーを使用していきます。
端子台のネジの大きさについて、確認しその大きさに合わせてトルクドライバーで締めていきます。
トルクドライバーの種類は次の通りです。
・デジタル型
・プレセット型
・単能型
・ダイヤル型
・空転式
どの形でも指定した力で締めることはできるので、それぞれを調べてみて使い勝手の良いものを使ってもらえたら良いと思います。
ネジの締め付けトルクはどれくらい
ネジの締付けトルクについてはJIS B 1083に指定されています。
JISについて知らない方は一度調べてみると良いでしょう。
一般的な締め付けトルクの推奨値は以下の通り
ネジ径 | 推奨締付けトルク(N・m) |
M3 | 0.43 |
M4 | 0.98 |
M5 | 2.2 ~ 2.8 |
M6 | 3.7 ~ 5.2 |
M8 | 9 ~ 13 |
M10 | 18 ~ 25 |
M12 | 31 ~ 45 |
M16 | 88 ~ 110 |
M20 | 170 ~ 220 |
締め付けトルクをきちんと守って正しく施工するようにしましょう。
締め過ぎも締め不足もどちらも不良の原因になります。