電動機は交流だけのものではない
こんにちは、今回の記事では私たちの日常の中に実はたくさんある直流電動機についてお話をしていきたいと思います。
電動機と言うとモーター、モーターといえば交流というように電動機から想像するのは交流かもしれませんが、意外と直流のものも合ったりするんです。
直流電動機については資格試験などでもよく出てきたりするので、電気設備の工事系の資格を取ろうとされている方は要チェックですよ
直流電動機の原理
直流の電動機はとてもシンプルな仕組みで動くようになっています。
中学校で習う、フレミングの左手の法則が原理となります。
コイルにかかる磁界と電流を変化させることで物理的な力が加わります。
この電流によって生まれる力を回転に使用するのが電動機の仕組みになります。
この回転方向は流す電流の向きによって回転の方向を変化させることもできるのです。
電流をコイルに流すことで、コイルの中の磁界が変化してもともと設置している磁石との磁界の影響で力を得ることができます。
しかし、この力も磁界が変化したときの一時的なもので継続はされません。
そこでこの力を継続するために、動き出した直流電動機の電流を更に変化させることで再度、動力を取り出す事ができるのです。
回転の継続については整流子と通電のためのブラシによる仕組みが重要になってきます。
整流子は円筒状のものを半分に割った金属製のものになります。
外部からの直流電源がこの整流子を通り、コイルへ電流を与える仕組みです。
ブラシというのはこの整流子から直流電動機へ電流を流すための接続のための部品です。
直流電動機は一時的な力を継続したものに変更するため、回転の途中で電流の向きを変えてあげる必要があります。
その接続の変更を回転の動きとブラシによる接続点の変更を利用することで回転すれば自動的に電流の流れを変えられるようにするのです。
直流電動機の切り替えのイメージとしては、自動車のハンドルのように片手で増し続けるのはできないものを途中で持ち手を切り替えるように電流を切り替えるものだと思ってもらえればいいと思います。
直流電動機の種類
直流電動機に関しては
・電機子巻線
・界磁巻線
それぞれの接続方法により4種類に分かれています。
直巻電動機
先程ご紹介した電機子巻線と界磁巻線を直列に接続した直流電動機を直巻電動機といいます。
直巻電動機の特徴として、低速であっても大きなトルクを生み出すことができます。
トルクとは電動機の話ではよく出てきますが、電動機など回転をするものの回転力、もしくは駆動力といった軸に対して回転する方向のエネルギーをいいます。
低速状態のときには大きなトルクを生み出し、負荷が小さくなってきたときには回転速度を上げることができるのです。
負荷が限りなく小さくなったときには非常に高速回転を生み出すことができます。
分巻電動機
直巻電動機は逆に電機子巻線と界磁巻線を並列に接続している直流電動機を分巻電動機といいます。
分巻電動機の一番の特徴は、負荷の大きさに関わらず回転速度がほぼ一定に保たれているという点になります。
直流では負荷が大きい場合は回転速度は遅くなるのですが、分巻の場合は回転数を保てるのです。
その代わりとトルクに関しては一定ではなくなってきます。
低速時には低いトルクで動かさないと行けないため、大きな力は出ないのです。
複巻電動機
複巻電動機はここまでにご紹介した直巻電動機と分巻電動機の両方を持っている複合型の直流電動機となっています。
両方の特徴をうまく活用し、それぞれのデメリットを補完するように作られたものになります。
しかし、いいところを両方から撮っているのですが、その分構造が非常に複雑になっており、電動機自体も大型化してしまいますので、取り扱いの面では少し扱いにくい大きさにはなります。
他励磁電動機
最後に界磁を切り離して励磁を別にするタイプの直流電動機を他励磁電動機になります。
電機子巻線と界磁巻線を別々に接続することで電流が制御できるようになる仕組みです。
速度の制御範囲が広範囲になっているのが特徴と言えます。
直流電動機のメリット・デメリット
直流電動機のメリットは界磁電流を制御することで回転数を自由に変える事ができるというところにあります。
最近ではDC扇風機と言われる何十段階にも風力を調整できる扇風機もあったりしますが、それもこの直流電動機を使用しているからできるようになることなのです。
直流電動機の主なデメリットと言うとメンテナンスに手間がかかるというところになります。
直流電動機まとめ
直流電動機は整流子とブラシによって、動作する電動機でその電機子巻線と界磁巻線の接続の仕方で大きく4種類に分けられるのです。
その仕組みは意外と簡単で、フレミングの左手の法則によってできているものですので中学校で学ぶ原理でできています。
世の中ではいろいろな場面で使用されていますので、ぜひ探してみてください。