産業ロボットにかかわるなら資格取得が必須!産業ロボットとその資格について紹介します。

産業ロボットとは

ロボットという言葉は、私たちの日常の中に浸透してきていて、身の回りにもたくさんありますよね。今回ご紹介する産業ロボットは、人間の代わりに工場で作業をする機械のことをいいます。産業用ロボットともいいますね。これらは、例えば家庭用のお掃除ロボットや病院などで利用される医療用ロボットとは区別されます。ロボットというとかなり近代的なイメージですが、知られている中で古い産業用ロボットは1938年に作成されました。そこから研究は重ねられ、1970年代ごろにはロボットへの関心が世界中で高まり、様々な企業がロボット開発に乗り出しました。

 

産業用ロボットの用途

さて、産業用ロボットは実際どんなところで活躍しているのでしょうか。

 

・溶接

・組立

・搬送

・塗装

・検査

・研磨

・洗浄

 

こうした作業で産業用ロボットは活躍しています。例えば、搬送部門で活躍する産業用ロボットは重い物を持ち上げるヒトの作業を代わりにすることで作業員の負担を軽減し、さらに作業効率を1.25倍に向上させています。あるいは、焼き鳥の串に肉を刺すという作業はヒトにしかできないような細かい作業に思えますが、産業用ロボットによって代替できるようになりました。これによって、生産性は2.5倍になり作業人数は3人から1人に減っています。こうした、産業用ロボットによる作業効率アップの事例は経産省から発行されている『ロボット導入実証事業事例紹介ハンドブック2018』に掲載されているので、是非ご覧になってみてください。

https://robo-navi.com/webroot/document/2018RobotHandBook.pdf

 

こちらの動画は、第5回 ロボット大賞」において「次世代産業特別賞」を受賞した産業用ロボットです。

 

産業用ロボットに関わる特別な資格

このように産業用ロボットは、人の作業効率を挙げたり作業時間の削減に貢献してくれる一方で、取扱いを間違えると大事故につながることもあります。このため、産業用ロボットに関わる業務に就く場合やメンテナンスを担当する従事者は、特別教育を受けるよう義務付けられています。

 

労働安全衛生法第59条第3項

事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

 

ただし、全ての産業用ロボットに資格が必要なわけではありません。例えば、出力が80W未満の産業用ロボット(協働ロボットと呼ばれる。)です。こうした協働ロボットは、ロボットが全ての作業を行うわけではなく、人と協力して作業を行います。ヒトと作業を共にするため、出力が低くなるよう設計しています。かつては、産業用ロボットとヒトが同じ作業を行う場合は、安全に留意して作業場所を分ける必要がありました。ところが、平成25年12月には産業用ロボットと接触による危険がないと判断された場合は、作業場所の分離を行う必要はなくなりました。

 

産業用ロボットの教示等に係る特別教育の内容

産業用ロボットに関する特別教育に関しては、「教示」と「検査」に分かれます。担当する業務によって、受講する内容が異なるのです。ちなみに、ここでいう「教示」とは産業用ロボットに運動技能に関するプログラミングや修正を行い、適切な処理を教えていく作業のことをいいます。また、この作業には産業用ロボットの動作確認なども含まれます。

 

<学科>

・産業用ロボットに関する知識(2時間)

・産業用ロボットの教示などの作業に関する知識(4時間)

・関係法令(1時間)

 

<実技>

・産業用ロボットの操作の方法

・産業用ロボットの教示等の作業の方法(2時間)

 

産業用ロボットの件さ等の業務に係る特別教育

ここでいう検査というのは、産業用ロボットの修理や調整、その結果の確認を行うことをいいます。原則として、産業用ロボットを停止して検査を行うのですが、状況によっては稼働したまま検査を行う場合もあります。このため、検査業務に携わる者にも特別教育を行うのです。

 

<学科>

・産業用ロボットに関する知識(4時間)

・産業用ロボットの研鑽度の作業に関する知識(4時間)

・関係法令(1時間)

 

<実技>

・産業用ロボットの操作の方法(1時間)

・産業用ロボットの検査等の作業の方法(3時間)

 

産業用ロボットの未来

産業用ロボットの世界販売台数は2011年から2016年までに毎年14%ずつ増加しているというデータがあります。このように、産業用ロボットの市場はどんどん拡大していきます。特に、近年では中国がその市場で販売台数を劇的に伸ばしています。日本もアジアの中ではかなり頑張っている方です。特に、協働ロボットが普及するようになってからは、小型化や導入のためのコストが削減されたことによって、中小企業でも産業用ロボットを導入することができるようなってきました。

産業用ロボットの市場は2035年に、5倍以上成長するといわれています。今後、産業用ロボットの世界はますます広がっていくでしょう。こうした部門に携わっていくのも面白いかもしれないですね。

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