現場でよく使う電工ドラムの危険性!巻かれたコードは燃えることがあります。
電工ドラムによる火災は多い
こんにちは、今回は電工ドラムのと呼ばれる延長コードの危険性についてお話していきたいと思います。
電工ドラムがどのようなものか、みなさんは知っていますか?
どのようなものかわからない方は、まずネットで調べてみてほしいのですが、巻かれたホースのように
ぐるぐると巻いてある延長コードのような物です。
工事現場では電気が設置されている箇所が少ないため、必要なところで電気を使いたい場合、この延長コードを使用するのですが、この延長コードには使用方法を間違ってしまうと火災になることもあるので、十分注意してほしいところです。
どのように使用すると燃えるの?
電工ドラムはコードが本体にぐるぐると巻き付けられており、必要な長さに伸ばすことができます。
遠くで使用するときは全部伸ばし、近くで使うときは巻いたまま使われる方が多くいます。
実はこの距離が近いときにコードを巻いたまま使用するとコード自体が熱を持ち最悪の場合、火が出ることもあるのです。
これは電工ドラムだけでなくどのようなコードにも言えることですので、しっかり覚えておきましょう。
意外と知られていないのですが、今では少なくなったコード式の掃除機はコードを巻き取る際に本体内部でぐるぐると巻いてある状態です。
ですので、あまりコードを出さないで掃除機を使用すると危ないこともあります。
掃除機のコードは引っ張り出すと途中で黄色いテープが巻いたところが出てきて、もっと引くと赤いテープが出てきます。
この黄色いテープの意味はここまで引き出してくださいなのです。
ちなみに赤いテープはこれ以上伸びないということを示すものです。
なぜコードを巻くと燃えることがあるのか
コードを巻いて燃える原因というのは、その巻いている状態では抵抗が高くなっているからなのです。
詳しく説明していくと電気の抵抗には抵抗とコイルとコンデンサそれぞれの値によって決まってきます。
厳密には抵抗の値とコイル、コンデンサの抵抗の位相は違っているためそれらをベクトルとして算出したものをインピーダンスといいます。
通常のコードであれば抵抗と言えるものは電線、もしくはケーブルに含まれる微量な抵抗だけしかない状態となっていて、この状態であれば問題なく使用することができるのです。
コードを巻いているとその部分に意図しない状態のコイルができることになるので、その部分ではインピーダンス、つまり抵抗ができてしまい電流が流れにくくなります。
そうするとその抵抗によって流れを妨げられた電気が熱エネルギーに変換されていくようになるのです。
そうして熱エネルギーがたくさん貯まることで、発火の原因になったりケーブル自体が焦げることに繋がってしまうのです。
たくさんの電流が流れるように、電工ドラムにいくつも機器をつなぎ、きちんとコードを伸ばしきらずに使用してしまうと火災になる可能性は非常に高くなってしまいます。
電工ドラムが燃えないようにするためには
電工ドラムが燃えてしまう原因としてはここまでお話してきたとおり、コードを巻くことで抵抗ができてしまうというところにあります。
また、コードが巻かれていることもあり、電工ドラムの内側のコードの熱が逃げにくいのも一つの理由として挙げられます。
これらを解消してあげることで、電工ドラムが燃えてしまう可能性はほとんど無くなると思われます。
ですが、巻取りのホースなども使用するときに毎回全部伸ばすのは面倒臭いですよね。
現場の作業員の方も同じで、どれだけ言っても気にせずに使用する方も多くいます。
実際のところ彼らはある程度の電流なら燃えないということを過去の実体験から知っているところもあり、これくらいでは全然大丈夫というのですが
あまり詳しくない作業員がそれを鵜呑みにするので火災が起こるのです。
実際に合った事例
私が過去に実際に体験した事例をご紹介します。
1日の作業が終わり、最後に現場を一通り巡回して、確認して回っていた時のことでした。
作業員の人たちが道具置き場にしている一角の隣に、その現場で使用している高所作業車が充電されていました。
近くの仮設分電盤から電工ドラムで伸ばしてきて、一度の4台の高所作業車をまとめてそこから充電をしていたので明らかに電工ドラムの許容電流限界の使用をしていました。
これは危ないと感じて電工ドラムを持ち上げたところ、素手で触ると熱くてもてないくらいの温度になっていました。
すぐに充電されていた高所作業車のコンセントを抜き、しばらく冷ましてからコードを伸ばしたのですが、若干ながら被覆が溶けていたのです。
別の電工ドラムを用意して高所作業車は充電しなおしましたが、この状況に気付かず放置していたら使用していた電工ドラムは煙を出して燃えていたことでしょう。
早めに気づけて良かったと思いました。
まとめ
電気を主に扱う電気工事を仕事にしている人でも、普段仕事で扱うのは電気の流れていないケーブルばかりです。
施工図などはきちんと計算して書きますが、電気容量などを理解している作業員の方は意外と少ないのです。
そういった状況から、いつの間にか危険な電工ドラムの使い方をする人もいますので、そんな人には教えてあげてくださいね。