明るさを決めるのは多くの要因がある
こんにちは、今回の記事では電気工事で照明の配置や設計をするときに必要となる照度計算についてお話していきたいと思います。
部屋の明るさというと照明器具の明るさが明るければOKと思われる方もいるかも知れませんが、実際のところはそれだけでなく他にもいろいろな要因があります。
照度についてはルクス(lx)という単位で表されます。
この単位については効いたことある人も結構いるのではないでしょうか。
照度を決めるのに必要となる条件について一つずつお伝えしていきたいと思います。
基本は照明器具の光の量
目次
まずなんと言っても明るさの基本となるのは照明器具の明るさというのが第一条件であることは間違いありません。
照明器具にはそれぞれ消費電力、いわゆるワット数というものが決まっていて基本的にはこのワット数が大きくなればなるほど明るくなります。
照明器具の明るさは光束と言われルーメン(lm)という単位で表されるのです。
このルーメンで表される光束の量によってその部屋にあるベースとなる光の量が決められるのです。
例えばですが500lmの照明器具1つある部屋の光束の総量は500lmというようになります。
照明器具は多いほど明るい
当たり前な話ですが、照明器具がたくさんあればあるほど、部屋は明るくなります。
先ほどご紹介した照明器具ごと明るさをベースに部屋にどのくらいの明るさが欲しいかを計算して、いくつ照明をつけるかを検討しないといけないのです。
部屋の明るさの基本となる照度については内線規程というものに定められているので、参考にしておきましょう。
状況によっては最低限満たさないといけない照度という指定もあったりするのでそういったところには注意が必要です。
照明器具の量は部屋の大きさによって変わる
照度を計算する上で次に確認しなくてはならない項目としては、その照明を設置する部屋の大きさによります。
光束の総量については照明器具の性能とそれがどれだけあるかの掛け算によって決まりますが、その光の量でどれだけの広さを明るくするかによって光が足りているのか、足りないのかを判断することになるのです。
部屋の大きさについては、幅と奥行は当然ですが、天井までの高さも必要になってきます。
天井が高いほど照明器具から出た光は届きにくいので光は弱くなるのです。
明るさは天井や壁、床の色にも左右される
照明器具から出された光は壁や床、天井などそれぞれにあたって跳ね返ることで人の目に入ってくるのです。
そのときに周りが暗い色をしていると、部屋の明るさがいくら明るくても色の暗さに吸収されてしまい、反射されなくなるのです。
反射と効くと鏡のようにそのまま帰ってくるイメージを持つかもしれませんが、実際のところは、部分的に反射して帰ってきていたりしているのです。
その反射で帰ってくる光の波長によって私達は色を認識しているのです。
黒い壁はほとんど光を反射していないので黒く見えていて、白い壁はほとんどの光を反射しているのです。
この反射の量を反射率といい、照度を計算する上で必ず計算に入れなくてはいけない値ではあります。
反射率は壁の材質によって定められているので、気になる人は調べてみてもらえるといいでしょう。
照明器具の照度はいつも同じではない
照明器具については新品を使用していても、電気を付けてすぐに最大の明るさを示すわけではありません。
通常よく見る蛍光灯などは20分くらいつけっぱなしにしておかないと最大の照度になりません。
照明を付けてすぐに使用したい部屋などであればその初期の最大ではない明るさで想定しておく必要もあるのです。
照明器具は経年劣化していく
また、更に想定しなくてはいけないことですが、照明器具は使用し続けると徐々に明るさが低くなってきます。
この割合を保守率といいます。
初期の照明は100%の照度を出すことができるのですが、使い続けて劣化してくるとその明るさが出せなくなるのです。
一般的に照明器具の寿命と設定されている照度は70%となっており、照明器具が70%未満の光束しか出せなくなったときに寿命と判定されるのです。
実際に使用していると70%でもまだ照明はつくので、そのまま使用している方も多くいたりするのですが、、、
照度の計算をするときにはこのようにいずれ少しずつ暗くなってくるということも想定して、少し明るめにしておくのもいいでしょう。
最終的な計算方法は?
ここまで部屋全体の照度に関わる事柄についてお話してきました。
今までのお伝えしてきたものを使って計算すると
・光の総量 = 照明器具の光束量 × 照明器具の数
部屋全体に分けると
・基本照度 = 光の総量 ÷ 部屋の広さ
そして、壁などの反射率を考慮しすると
・反射率補正照度 = 基本照度 × 反射率
最後に照明器具の保守率を考慮して完了です。
・照度 = 反射率補正照度 × 保守率
これを各部屋ずつやっていって照度の設計をするのです。
大変ですが、間違いのないようにやるように心がけましょう。