測量士ってどんな仕事をするの?測量士の資格についてご説明します!
写真のような機材を持って道端で作業をしている人を見かけたことはあるでしょうか。これは、「測量」という仕事の一つなのですが、最近は昔ほど見なくなりました。こうした測量に関する仕事は、新しい技術の開発によってどんどん機械化されていっています。「測量」をテーマにして、今回はそもそも測量ってなんなの?というところから、測量のスペシャリストである測量士について、詳しくご紹介していこうと思います。
測量って何?
測量というのは、主に地図などを作成するために、土地の位置や状態を調査することを指します。と、簡単に言いましたが、これには専門的な技術と知識が必要なんです。学問で言うと、数学・物理学・国学
計測学・プログラミング言語などを中心として、多岐に渡る修得が必要な上、技術の進歩と共に使いこなすべき機械類も増えてきています。
日本では、測量に関する資格として、「測量士」と「測量士補」という2つの資格があります。続いて、これらについて詳しく見ていきましょう。
測量のスペシャリスト「測量士」とは
測量士というのは、簡単に言うと、測量法に基づいた基本測量や公共測量を行なうために必要な技術と知識を持っていることを証明する資格になります。国土交通省国土地理院が根拠機関となる、国家資格です。基本的に測量士は、測量業者がその業務を遂行する際に、「測量に関する計画を作成」したり、「測量を実施」したりします。測量士補は、測量士が計画した測量に従事する形となります。主な職務としては、下記のようなものがあげられます。
・現地で、土地の高さや位置などを計測する。
・地籍調査やそれに関係する調査
・採石場や鉱山などでの原料鉱床調査
・産業測量
測量士は、外に出て実地調査を行なうこともあれば、そのデータをもとに解析計算などを室内で行なうなどもあり、様々な職務が任せられます。
測量士になるには
測量士になるためには、一体どのような試験を乗り越えていく必要があるのでしょうか?詳しくご説明していこうと思います。
<資格>
・大学、短大、高専などにおいて測量に関する科目を修了し卒業した者で、測量に関する実務経験を有する者。
※必要実務経験期間は、「大学卒業⇒1年以上」「短大、高専卒業⇒3年以上」となっています。
・国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設において、1年以上測量士補となるのに必要な専門の知識及び技能を修得し、測量に関して2年以上の実務経験を有する者。
・測量士補で、国道交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設において、高度の専門の知識及び技能を修得した者。
・国土地理院が行なう測量士試験に合格した者。
<試験内容>
測量士試験は、午前の試験と午後の試験という風に分けられています。午前の試験で350点より上の
得点を取らなければ、午後の試験の採点がされないというようになっていて、午前・午後の特典で合わせて910点以上(1400点満点)で試験に合格となります。
午前の試験
700満点の筆記試験。合格点は400点以上です。試験科目は以下の通り。
測量関連法規・条約
多角測量
汎地球測位システム測量
水準測量
地形測量(平成28年より車載レーザー測量の問題を追加)
写真測量
地図編集
応用測量
地理情報システム
午後の試験
700満点の筆記試験。必須科目と、選択科目がある。必須科目から1問、選択科目から2問を選択して
解答する。試験科目は以下の通り。
必須科目
計算と法理論や届出事項、予知、防災などに関するもの。
測量法、水準測量など
選択科目
計算問題や作図に関するもの。
基準点測量
写真測量や測距に関するもの
地図やその他測図に関するもの
応用測量
700点満点の筆記試験によって行われます。必須科目と選択科目があり、
測量技術の進化
測量士の合格率は毎年11%前後となっていて、狭き門となっています。一方で、測量士補の試験は合格率45~47%となっており、こちらは測量士と比べて合格率が高く、取得しやすい資格となっています。
測量士の仕事とは
さて、業務内容や資格内容についてはお伝えしましたが、実際にどのような場面で活躍しているのでしょうか。測量士の仕事は、戸建ての住宅を建てる際に実地調査を行ないますが、それだけに限りません。例えば、道路や鉄道、トンネルやダムなどを建築する際にも、測量が必要不可欠となります。こうした、建築物を建てる際に、現地で行なう測量のことを土木測量をいいます。一方で、個人や法人が所有する土地を計測する場合は、地籍測量というものを行ないます。さらに、みなさん絶対に使ったことがあると思いますが、カーナビや地図アプリのデータを作る際には、地図測量という測量を行なうのも測量士の仕事です。
冒頭でご紹介した写真は、測量機器を用いて測量を行なっている様子なんですね。こうした機材も今は進化を遂げていて、昔よりも精度が上がっています。一方で、今建築業界で注目を浴びているドローンなどを利用した測量も行われているとか?さて、次回はそんな最新の測量に迫っていきたいと思います。