消費する電気の需要率とは|電気設備の設計に不可欠

電気設備の設計には需要率が必須です
こんにちは、今回の記事では電気設備の設計において必要となる需要率というものについてお話していきたいと思います。
建物の電気の使用量については皆さんどのようにして計算されているかご存じでしょうか。
電力会社との契約電力量にもよるのですが、契約するにしても自分たちがどのくらい電気を使わなければいけないのかわからなければ申し込みの使用がありませんよね。
そこで建物に必要な電力量の計算のやり方から、需要率とはどのようにして計算すればいいかまでをまとめてお話していきたいと思います。
電気を過不足なく使用して、必要最低限の電気設備の設計にすることによってイニシャルコストからランニングコストを抑えることができるようになりますよ。
そもそも需要率ってなに?
需要率という言葉自体をあまり聞かれたことがない方も多くいるかもしれません。
電気工事の設計をするうえでは基本的な言葉の一つなのですが、一般的な言葉ではないと思います。
そういった方に向けて簡単に説明してしまうと、電気の需要率とは建物全体で使うことのできる電力の最大電力量に対して実際に使用する電力の最大がどの程度かを数字化したものです。
これだけ聞いてもよくわからないかもしれませんので、もう少し噛み砕いて説明します。
各家庭で電気を使うところはいろいろありますよね。
でもすべての家電を同時につかうことはまずないでしょう。
すべての家電をフル稼働させた時の電力量を最大とみて、実際に生活しているときの最大の使用量がどれくらいかというのが需要率になります。
電気設備を設計するときには実際の電力の使用量に合わせてちょうどいい電力量にて契約したりすると費用的にも少なくて済みます。
契約電力の計算
電力を決める時にはまずその建物にある電気設備の電力の総量を計算していきます。
これはこれで結構地道な作業なのですが、計算をきちんと積み上げないと電気設備が大掛かりになってしまったり、逆に電気が足りなくなったりしてしまいます。
建物内で使用する電気設備を一つ一つ拾っていき、それぞれの電力消費量を計算していきます。
例えばですが照明やエアコン、コンセントなどで使用する設備の定格電力を調べて合計していく必要があります。
また、電力の中でも三相の電力と単相の電力それぞれに分けて電力を算出していきます。
合計の電力量が計算できたら次は需要率の計算に入っていきます。
各設備ごとの需要率の考え方
皆さんは普段生活している中で長時間使用している電気設備とスポット的に使用するだけの電気設備と言われるとどういったものが思いつくでしょうか。
需要の多い設備は次のようなものが挙げられます。
・照明
・エアコン
・冷蔵庫
・電気ポット
一般家庭で例に上げるとこのようなイメージです。
照明もエアコンも家にいる間はずっとついていたりしますよね。
こういった設備に関しては需要率は高めで設定します。
逆に使用頻度の少ない設備はどういったものでしょうか。
それらは次のようなものになります。
・洗濯機
・電子レンジ
・ドライヤー
・アイロン
これらに関してはたまにしか使いませんので、需要率としては低めではありますが、使っている間の電力の消費量は非常に高いので無視するわけにも行きません。
需要率は低めで見積もりますが、電力量としては考慮しておく必要があるでしょう。
こんな感じでそれぞれの設備の需要率を設定していきます。
私の想定ですが、使用時間が長い機器については、需要率は80%とかで良いとお思います。
低いものについては40%もあれば十分だと思います。
需要率以外に考える必要があること
需要率は上記のように計算しますが、それ以外に気をつけないといけないことがあります。
それは主な使用時間を調べるというところにあります。
電気設備を設計する際に考慮しておかないといけないこととして、通常に使用して発生する最大電力消費量よりも大きい設備の最小限のものを設計するということがあります。
そのため、電気設備を通常使用で一番多く電力を消費する時間帯がどこかというのは調べて置く必要があるのです。
あくまでもこれらの計算については工事にあたるときの暫定の電力消費量なので、実際に設備を入れてみたら思っていたよりも電力消費量が多いなんてこともあると思います。
そのため、計算で出した電力消費量の1.4倍くらいの電力消費量は見ておきましょう。
需要率まとめ
需要率というのは80%で計算した場合と60%で計算した場合では、電気設備の全体がかかる費用が1段階変わってきます。
それらを実際の費用にして計算すると驚くほどの違いになってきます。
需要率の計算をきちんと行い、必要な電力量をクリアしつつ、最小限の設備にすることが良い電気設備の設計であるということが言えるのです。
施主との打ち合わせを綿密に行い、実際に使用される際の運用方法をきちんと理解して最適な設計となるようにしましょう。