構造図は電気工事でも必要なんです

構造図は建物の強度に関わる部分

こんにちは、今回の記事では建物の構造図についてお話をしていきたいと思います。

建物の設計図にはいろいろな図面があり、電気工事をしていて一番重要になってくるのはもちろん電気の設計図になりますが、工事を勧めていく中で建物の構造図というのは必ず一緒に見ていかないといけない図面になります。

構造図では建物の基礎や柱、梁などのいわゆる躯体と言われる骨組みに当たる部分が書かれています。

電気工事では配線を様々なところに引っ張らないといけませんので、こうした大きくて必ず避けなくてはいけないものについては見ておかないといけません。

工事全体に影響のある構造図には具体的にどのような図面があるのかをご紹介していきたいと思います。

設計の基準となる図面

建物の設計図の中で基本となる図面は仕様書があります。

仕様書とは設計図書の一部で建物の規模や構造、材料、設備、工事範囲などが記載された書類のことです。

仕様書の中には共通仕様書と特記仕様書があります。

共通仕様書については標準仕様書とも言われることもありますが、建築工事を実施するために共通して適用される注意事項が書かれていて、定型的な内容が盛り込まれています。

共通仕様書とは違い、その工事現場での固有の内容を示しているのが特記仕様書になります。

具体的にはそれぞれの工事での施工上の注意点、建物に使用される材料、図面には記載しにくい内容が記載されているのです。

この仕様書が基本となっていますので、覚えておいてください。

構造図

構造図と一言に言っても、その種類にはいくつかあります。

構造図の種類は次の5つ

・伏せ図

・軸組図

・部材リスト図

・詳細図

・標準図

それぞれの内容について見ていきましょう。

伏せ図

伏せ図は建物の基礎や柱、梁など構造部分に関する部材のみを記載した図面です。

構造物全体を平面的に記載してあり、それぞれの構造体のところがどの様になっているか記号が書かれています。

この伏せ図だけでは基礎の大きさなどはわかりませんが、基礎や柱の詳細を記載している図面が部材リストとしてありますので、それとセットで照らし合わせて大きさを確認していくことになります。

同時に両方の図面を見なくてはいけませんが、特に天井内に影響のある梁の大きさは電気工事をする上で抑えておく必要がありますので必ず見るようにしましょう。

伏せ図は細かく分けると杭伏せ図と基礎伏せ図、梁伏せ図に分かれています。

軸組図

軸組図は先程の伏せ図と同じく建物の基礎や柱、構造が記載されている図面ですが、見る方向が変わっています。

伏せ図は上から見た平面的な情報が記載されていますが、軸組図については建物を横から見て立体として見ることができるようになっています。

建物のいくつかの位置での断面図がわかりますので、建物のイメージがしやすい図となっています。

平面ではわかりにくい梁ごとの大きさなどもひと目で分かるので便利なのですが、すべての断面があるわけではないのであくまでも断面が出ているところの図しかわかりません。

部材リスト

部材リストはその名の通り部材がリストとして記載されているものになります。

伏せ図や軸組図などで記載されている図には符号図と呼ばれる記号で梁や柱などが表記されています。

その符号にあった部材がわかるようにこの部材リストに記載されているのです。

部材リストではその部材の詳細な寸法などが記載されているので、より細かい配置を考える際には部材リストの情報は書かせません。

詳細図

詳細図は部材同士がきちんと収まるかどうかを確認するための図面です。

一般的な部材の収まりについては次に紹介する標準図で記載されていますが、それ以外に特殊な細工のある箇所などは別で記載しておく必要があります。

詳細図についてはないこともありますが、だいたいどこの現場でも一つは特殊な部材などを使用するものですので珍しいと言えるでしょう。

詳細図は部材のより細かいところまで記載が必要なので、図面の倍率は低めになっていて部材の詳細がわかりやすくなっています。

標準図

標準図には構造部材同士の標準的な収まりが書かれています。

施工品質の確保と設計の合理化のための基準となる共通事項を定めたもので、先にご紹介した部材リストや詳細図などで特別な指示がない限り、この標準図の内容に準拠して施工されることになっています。

標準となる図ですので、特記仕様書のほうが優先されるのも特徴の一つです。

構造図まとめ

今回は構造図についてお話をしました。

設計図の中でも建物のベースとなる図面で、電気工事の中で直接工事をするところではありませんが、見ておかないと行けない図面ではあります。

場合によっては構造体に穴を開けてもらうように手配しておかないとケーブルを引っ張ることができないこともあります。

電気工事行う上ではすべての図面に目を通しておく必要があります。

ゼネコンは電気や設備の図面など見ないで仕事ができますが、逆は仕事ができませんので意外と電気工事の担当者の方が全部の図面を見る力を持っているのです。

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