植木屋さんや庭師とはちがう?造園工事業の仕事についてご紹介します!
建設業法の区分の一つである「造園工事業」ですが、日本では伝統的に植木屋さんや庭師といった仕事がありますよね。これらには違いがあるのかどうか、またどんな仕事をされているのかについて詳しくご紹介していきます。
造園工事業とは
さて、建設業法における造園工事業は以下のような工事を行なう業種を指します。
「整地、樹木の植栽、景石の据え付け等により庭園、公園、緑地などの苑地を築造し、道路、建築物の屋上などを緑化し、または植生を復元する工事」
具体的には、以下の工事を行ないます。
・植栽工事
・地被工事
・景石工事
・地ごしらえ工事
・公園設備工事
・広場工事
・園路工事
・水景工事
・屋上等緑化工事
といっても、なかなかイメージが付きにくいかと思いますが、基本的には植物を据え付ける工事だと考えてもらうとよいです。たまに、造園屋さんが戸建て住宅の駐車場にアスファルトを敷いたり、カーポートや車庫を建てたりという業務を行なう場合もありますが、あれ自体は建築工事業の管轄で、その分の建設業許可を取得しているというだけで、建設業法における造園工事業務ではありません。
本来的な業務として考えると、例えばゴルフ場や公園を建造する際にはこうした造園工事業務が発生するのが想像できますね。
植木屋とは
日本の伝統的仕事の中に、植木屋さんがあります。基本的に昔の日本の邸宅には庭園があり、その中の樹木や草木は植木屋さんを呼んで管理していました。この植木屋さんの仕事とは、本来庭木の剪定だけを行なう職人のことを指します。ですから、新たに庭を造ろうとなった時に、その庭の設計を含めると本来的な植木屋さんの職務の範囲外となるわけです。ところが、それは昔の話で、今となってはあまり気にするほどの区分はありません。
庭師とは
植木屋が庭木の剪定を務めるのに対して、庭師はより広く庭に関わる仕事と言えます。例えば、庭全体の設計やそこに植える植物の選定、石などの設置。庭に関する広い範囲での仕事を負うのが庭師ということになります。
庭師も、植木屋も基本的には庭に関する専門家ですので、現在ではあまり細かい区分を気にせず職務に当たっており、広く造園屋として区分される仕事でもあります。
造園の仕事に就くには
基本的に現在は、高校や大学・専門学校などで植物について学び、造園業者に就職する方法が主流です。植物に興味がある人はこうした道も楽しそうですね。ちなみに先程も言いましたが、造園屋が造園だけをやっていることはなかなか少ないかもしれません。現代では、大きな庭を携える戸建ての建設はあまり多くありませんし、普段の手入れも多忙な現代人にとっては大きな負担となります。ですから、造園業と合わせてカールーフや車庫、物置などといった需要の高い建設物を設置する業務なども請け負っている場合があります。ですから、庭の仕事を専門的に行ないたいのなら、植木屋や庭師の仕事を見つけて就職するのが無難です。
造園にも資格がある!
造園に関してもいくつか資格がありますので、ご紹介していきます。
造園技能士
技能検定制度の一種で、国家資格にあたります。1~3級の区分があり、それぞれ上級・中級・初級と位置付けられています。この資格を持っていることで、造園の仕事はよりやりやすくなるでしょう。造園の関する学科・実技試験を合格して取得することができます。
<受検資格>
1級…実務経験7年以上
2級…実務経験2年以上
3級…実務経験1年以上
学歴などによって、必要な実務経験年数は異なりますので、詳細は確認してください。
造園施工管理技士
この資格は、施工管理技士国家資格のうちの1つで、国土交通省の管轄になります。施工管理技士とは、建設業法において定められる資格で、この資格を持っていることでその営業所の専任技術者及び主任技術者、または管理技術者を担う資格を得ることができます。造園施工管理技士は、造園工事業における管理者となるために必要な資格でもあるということです。こちらの資格も、1級と2級に区分されます。
<受検資格>
受験資格には細かい規定がありますが、その中でも主たるもののみについてご紹介します。
1級…1年以上の指導的監督実務年数を有する者
専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者
2級…大学の指定学科を卒業後、1年以上の実務経験
大学の指定学科以外を卒業後、1年6か月以上の実務経験
短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科を卒業後、2年以上の実務経験
短期大学、高等専門学校(5年制)の指定学科以外を卒業後、3年以上の実務経験
高等学校の指定学科を卒業後、3年以上の実務経験
高等学校の指定学科以外を卒業後、4年6か月以上の実務経験
その他の者は8年以上の実務経験
職業能力開発促進法による1級又は2級造園技能士は4年以上の実務経験
まとめ
今回は、造園に関する仕事と関連する資格について触れました。建設業といっても、幅広く様々な職種があることがわかりますね。