日本家屋の伝統とは一体何?古き良き建築を見直そう

昨今立ち並ぶ高層ビルや現代建築は、技術の進化を感じさせ、かなり便利なものになっていますよね。前回2回にわたってご紹介した瓦屋根は、日本の伝統建築の一つでありますが、他にどのような伝統建築が日本にあるのかをご存じでしょうか?今回は、日本の伝統建築にスポットを当ててご紹介していこうと思います。

 

自然素材の建築

当然ですが、昔の家屋に使われていた素材は自然のものが大半でした。金属やプラスチックなどがまだ主流でなかった頃、どの国も自然の素材を使っていましたね。例えば、土・木・紙・竹などです。想像してみると、日本の家屋は本当に様々な自然が使われていました。障子は紙ですし、壁は土などが多かったですね。実はこの自然素材、近年また見直され始めているのです。

 

珪藻土の隆盛

最近になって、「珪藻土」という素材をよく聞くようになったと思いませんか?きっかけはバスマットです。従来のバスマットは布製で、すぐに水でびしゃびしゃになりますし洗う必要もあって、それが当たり前のものでした。それが、最近になって突如として珪藻土という吸水性の高い土が利用されるようになったのです。あれが出始めて、家のバスマットが珪藻土に変わったお宅も多いのではないでしょうか?実は、この珪藻土、かつては住宅によく使われていた素材なんです。

 

<珪藻土って何?>

珪藻土は、土と書かれていますが、元々は植物プランクトンの一種にあたります。珪藻という藻類にあたる生物が化石化したものが珪藻土になり、この特徴は吸水性だけでなく、消臭・保湿・調湿・吸着などこの効果を知れば知るほどバスマットに最適なのです。バスマットで隆盛を誇った珪藻土は、その活躍の場をどんどん広げています。コースター、歯ブラシ置き、スポンジ置きなどの水気のあるところには欠かせなくなっています。

 

<珪藻土の壁>

さて、これが元々は伝統的な日本家屋では壁として使われていました。お分かりの通り、珪藻土は吸水性だけなく調湿などの効果もあることなどから、湿気を吸い取り室内を快適な湿度に保ってくれるのです。この効果を再認識して、最近はホテルの部屋の壁などに珪藻土が使われている場合もありますし、住宅に利用されることもまた増えています。

さて、こうしたメリットとともに、一時は衰退するほどのデメリットもあるということなので、そこもきちんと押さえておきましょう。珪藻土は、お使いになればわかると思いますが、永遠に水分を吸収してくれるわけではありません。カビが生えたり、ボロボロと破損することもしばしばあります。このため、手入れが大変であることから、汚れをふき取りやすい壁紙にとって代わられてしまっていったのでしょうね。ですから、湿度が高すぎるところで珪藻土を使うとカビの手入れが大変になると予想されます。こうしたデメリットを解消する一つの手段として、珪藻土を使った壁紙というものがあります。これなら、いざとなれば張り替えることが可能なので、珪藻土を塗ったり珪藻土壁にリフォームするよりも手軽に珪藻土の壁を楽しむことができます。

 

漆喰の特徴

さて、珪藻土の他にも壁紙がなかったころは、漆喰という素材を壁に塗っていた時もあります。珪藻土は藻類が原料となっていますが、漆喰は石灰岩を原料としています。例えば、サンゴや貝殻などが大元の原料となっていますね。これに、接着剤を加えて壁に塗っていくことになります。実は、この漆喰の壁も調湿機能に優れていて、部屋の湿度を快適に保ってくれる機能があります。塗り方によって、様々なデザインを表現することもできて、今DIY界隈では人気の素材となっています。先ほどご紹介した珪藻土も、壁に塗る時は基本的に漆喰や接着剤と混ぜて使うことが多いです。

 

畳と日本家屋

今では、かなり「和室」を作ること自体が減ってきてしまいましたが、日本の家に欠かせなかったものの一つが畳ですよね。畳も自然素材から作られています。イグサという植物を使って作られていますね。実はこの畳も、日本の気候や風土にマッチした最適な素材なのです。畳の特徴は、断熱性・保湿性・弾力性などにあります。これもまた、畳1枚で500㏄もの水や湿気を吸い取ってくれるという機能があって、湿気の多い時期にはかなり活躍してくれる素材なのです。また、チリやほこりなども吸収し無害な一酸化炭素に変えてくれるという機能もあり、部屋の空気を清潔に保ってくれる空気清浄機のような役割も担ってくれるのです。また、床下の冷えた空気を遮断してくれる断熱性にも優れており、家屋に最適の素材なのです。最近では、洋風の部屋にも合うような形の畳もたくさん作れらているので、形式ばった和室が無くても、畳を導入しやすくなっていますね。

畳

伝統的な日本家屋の造り

<縁側の特徴>

伝統的な日本家屋と言っても、どの時代かによって造りは若干変わってきますね。自然素材をふんだんに使っており、日本の気候にマッチしているという点もさることながら、日本の文化にマッチした機能的な造りもその伝統の一つです。例えば、今はほとんど見られなくなってしまった「縁側」はどうでしょう。これも日本家屋ならではの造りですよね。縁側というのは、イメージ的にはウッドデッキのようなものかと思われがちですが、実は内部にある場合もあります。元々は、和室と庭の間にある板張りの部分のことを縁側というのです。ですから、例えばサザエさんの家のような造りだと、縁側は外側にあって、これを「濡縁」と言いますが、内部の場合は「広縁」というように区別されています。例えば旅館の部屋などで窓際に庭があり、窓があり、窓と部屋の間に板の間があることがあります。あれが広縁ということになります。この縁側の利点というのは、直射日光が部屋に入る手前でワンクッションとなってくれることで、部屋が日陰となってくれるため、夏は部屋の温度を下げることができるのです。逆に冬は、窓際の冷気をワンクッションで遮ってくれるという利点があり、実はかなり機能的な造りなのです。

こうした機能的な側面もさることながら、庭の干渉や部屋を広く見せる効果などもあり、最近の家でも縁側を取り入れる場合が増えているんだとか。

縁側

<土間って今でもあるの?>

現在の家では、玄関で靴を脱いでしまえばそれっきり、家の中で靴を履くことはありませんし、日本人にとってはそれが当たり前で、心地の良い生活スタイルとなっていますね。しかし、サザエさんの家よりももっと前の日本の家屋では、履物を履いて生活する部分である「土間」というものがありました。これについて、詳しく見ていきましょう。

土間というのは、土という文字が使われていますが、何も土をそのまま使っているわけではありません。三和土と呼ばれる漆喰を塗り固めたものや、珪藻土、コンクリート・タイルといった場合もあります。基本的には、土足で生活する部分で、靴を脱いで生活する場所よりも低くなっているのが特徴的です。昔は、この部分で炊事をするような設備がついていました。これは、農家が収穫した野菜などをそのままそこで調理したり保存したりするのに、ちょうどよかったからです。また、漁師の家ではこの土間の部分に量に使うアイテムを補完したりしていました。汚れてもいいようにしていたわけですね。イメージとしては、トトロに出てくる家でしょうか。あの家には土間がありましたね。

現在では、なかなか普段住む家で土間を作るということはないかもしれませんが、ホテルや別荘などで土間があったらちょっとわくわくしますね。

 

日本家屋を建築する

こうした伝統を大切にし、伝統建築を現代風にアレンジしたものを売りにしている工務店もあります。そうした場所で活躍する建築家や大工さんは、日本の伝統建築の知識と技術を受け継いでいると言っても過言ではありませんね。こうした一般的な伝統建築に関しては、別に用意された専門的な資格というのはありませんが、一般家屋ではなく寺社や仏閣などを建造する場合には、さらにまた特別な知識や技術が必要となります。こうした専門の大工は、宮大工と呼ばれより専門的で広い知識を必要とします。この宮大工の詳細についてもいずれご紹介していきます。

 

まとめ

今回は、日本の伝統建築を見直して、古き良き日本の家屋の特徴を詳しくご紹介していきました。かつての日本で使われていた素材などを見ても、実に合理的でエコな暮らしをしていたということがわかりますね。これから家を建てようとしたときに、こうした伝統的な要素を現代風にアレンジして少し取り入れてみると、趣があっていいかもしれません。

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