放電によって電気設備が壊れることも
こんにちは、今回の記事では本来、電気流れる導電体ではなく空気中を電気が流れてしまう放電現象についてご紹介していきたいと思います。
基本的に空気というのは絶縁体ですので電気は流れないものです。
しかし、条件が揃ってしまうと空気中であっても電気が走り、その電気によって様々な不具合が発生してしまうことが多くあります。
このように放電による不具合を起こりにくくするために、放電現象に原理や種類を知っておくことで対策を取ることができるかと思います。
放電現象とは一体なにか
放電というのは文字の通り電気が放たれてることをいいます。
通常の通電ルートではなくそれ以外ところに電気が流れてしまうことをいいます。
このご説明ではいまいちピンと来ない方も多いかと思いますが、代表的な例で言えば冬場によく発生する静電気もこの放電現象の一つなのです。
放電現象は本来電気が流れない、つまり絶縁されているところに電気が流れる現象ですので、もし電気が流れてしまうと予期しないトラブルが発生することもあります。
絶縁を越えて電気が流れるには相当の電圧を始めとした条件が必要ですので、放電現象が発生したときの影響は小さくないこともよくあります。
放電現象の種類
放電現象は代表的な静電気だけでなく、いろいろな種類がありそれぞれに特性が違ってきています。
共通して言えることは、放電が起こるところには電位差があるというところです。
非持続放電
大気中で電極に電圧を印加することで、微弱に流れる電流が流れます。
電圧を印加した際に必ず発生する現象ではあるものの、影響は非常に小さく何か対策をしなくてはいけないようなものではないので、こういった現象もあるという程度に覚えておいてください。
火花放電
先程ご紹介した非持続放電ではなく、持続放電の一種で空気の絶縁能力を越えたときに一瞬だけ電気がパチッと流れることがあります。
これを火花放電といいます。
この減少は連続で起こるようなものではなく、空気との摩擦などによって電荷が徐々に溜まってしまった設備や人体から一時的に電気が逃げるときに発生する現象です。
雷もこの火花放電の一種であり、積乱雲によって帯電した電子が空気の絶縁を越えて大規模に放電することで落雷として電気が流れます。
グロー放電
グロー放電は空気の圧力が低いところに電極を設置して電流を流し込んでいくと一定の電圧を超えたところで発生する放電現象のことをいいます。
真空な状態が自然界にあるものではないので、グロー放電は意図的に起こす現象ではあります。
グロー放電の際に封入するガスによって違った発光を取り出すことができるので、そうした現象を利用した機器もあります。
蛍光灯などについている豆電球とは違った小さいものをグローといいますが、その内部でもこのグロー放電を使用した物となっています。
アーク放電
グロー放電が更に電流を増加させるとアーク放電となります。
アーク放電の技術を使って蛍光灯やアーク溶接の設備などが作られています。
自然界で起こるような放電現象ではなく、意図的に起こして利用するタイプの放電現象ですので対策などは特に必要はないでしょう。
ただし、放電の中でもアーク放電が一番多くの電流を流しますので取り扱いを間違えると人命に関わる事故になりかねませんので、注意は必要です。
溶接ができるような放電なので、金属が溶けるほどのエネルギーが発生します。
放電による災害
放電現象が起こるとその影響で災害になることもあります。
放電によって起こる災害を認識して、きちんと危険予知をした行動をするようにしましょう。
放電による火災
放電で一番起こりやすい災害は火災になります。
自然界で発生する放電現象は基本的に火花放電なので、発生したときに燃えやすいものがあると火災に発展します。
ガソリンスタンドで給油前に静電気をかならず取り除くように言われているのは、静電気の火花がきっかけでガソリンに印加してしまわないようにということになります。
その他にもガスが充満している部屋などで放電が起こるとそれがきっかけとなって爆発を起こします。
放電による漏電
放電が発生する状況は、絶縁体の破壊が伴うことが多くあります。
絶縁が破壊されてしまった電化製品からは電気が漏れてしまうこともよくあります。
漏電に対する対策がきちんと取られていれば問題ありませんが、そうでない場合は感電や火災になることもありますので、要注意です。
放電による機器の故障
放電が起こると本来意図しない電流が設備機器に流れ込むことになります。
細かい電子部品などはこの放電の電流だけで内部が焼損し、故障してしまうことがよくあります。
こうしたトラブルはよくありますので、機器を壊さないように放電対策をきちんとしましょう。
放電現象まとめ
放電現象はもともと想定していたところではないところに電気が流れてしまうので、災害や不具合に繋がります。
発生条件を理解して、対策を取るようにしておきましょう。