放射性物質を取り扱うには?放射線の基礎知識と資格について

3.11以降世間で問題になっている放射線。しかし放射線一言に言っても種類は様々であり、我々の生活に欠かせない技術のうちのひとつであることも否めない。真っ向から放射線を否定せず、安全を確保したうえで向き合っていくためにも放射線の取り扱いに関する資格について知っておく必要があるだろう。

 

  • 放射線

放射線とは

放射性物質から放出される粒子や電磁波の総称。

 

放射線の種類

粒子 アルファ線 ヘリウム原子核が放出されたもの。透過力がほとんどなく紙一枚程度の遮蔽物で遮ることができるが、浴びた場合人体絵の影響は大きい。
ベータ線 電子、または陽子が放出されたもの。透過力は弱く1㎜程度のアルミニウム、1㎝程度のプラスチックで遮蔽することが可能。がん治療に用いられている。
中性子線 中性子が放出されたもの。透過力が非常に強く、遮るには60㎝程度の厚さの水や30㎝程度のコンクリートなどが必要になる。透過力が強く人体に取り込まれて残ることが少ないので影響は比較的小さい。
電磁波 ガンマ線 原子から放出される波長領域の一部(波長の短いもの)
エックス線 原子から放出される波長領域の一部(波長の長いもの)

 

身の回りで活用されている主な放射線技術

・レントゲン撮影など。体内や構造物内を非破壊で検査することができる。

・細胞の破壊。ジャガイモの芽が出ないように放射線を当てる場合や、がん細胞を破壊するとき利用される

・年代測定。放射線の残量から出土品などの年代を測定することができる。

 

放射性物質による人体への影響

放射線を浴びることを被ばくという。体外から放射線を浴びる外部被ばくと、汚染された食品などを口にしたことで体内に放射性物質がたまり放射線を浴び続ける内部被ばくが存在する。一般に、内部被ばくのほうが影響は大きい。

被ばくをすると細胞の中の遺伝子に傷がつき、生体に悪影響を生じる。これによる影響は以下のようなものがある。皮膚の炎症・脱毛・血液生産の停止・がんなどだ。

原子力発電所では放射性廃棄物の発生や放射線の漏洩が心配されている。早いうちに、使用済み放射性廃棄物の最終処分場の建設場所が決定することを祈る。

 

  • 放射線に関する資格

多くの利益をもたらしもするが非常に危険性の高い放射線を可能な限り安全取り扱うための資格を紹介しよう。

 

エックス線作業主任者

概要

医療用以外の用途において1MeV未満の出力のエックス線を用いる場合に必要となる資格免許。免許の所有者が作業主任者に選任される必要がある。

 

受験資格

特になし(ただし、合格後の免許交付は満18歳以上に限られる)

 

試験内容

内容 問題数(配点) 時間
エックス線の管理に関する知識 10問(30点) 10:00~12:00
関係法令 10問(20点)
エックス線の測定に関する知識 10問(25点) 13:00~15:30
エックス線の生態に与える影響に関する知識 10問(25点)

 

合格基準

受験科目全体で6割以上かつ各科目4割以上の正答率

取得場所

厚生労働大臣指定機関、(公益財団法人)安全衛生技術試験協会

受験料

6,800円

難易度

国家試験の中ではやや優しく、合格率は50%前後で推移している。

 

ガンマ線透過写真撮影作業主任者

概要

鋳物製品等の品質検査においてガンマ線を用いて写真撮影の作業・安全指導、監督を行う場合に必要になる資格免許。事業者は労働者の中からガンマ線透過写真撮影作業主任者を選任しなければならない。

受験資格

特になし。

試験内容

内容 問題数(配点) 時間
ガンマ線による透過写真の撮影の作業等に関する知識 10問(30点) 10:00~12:00
関係法令 10問(20点)
ガンマ線照射装置に関する知識 10問(25点) 13:00~15:30
ガンマ線の生態に与える影響に関する知識 10問(25点)

 

合格基準

受験科目全体で6割以上かつ各科目4割以上の正答率

取得場所

厚生労働大臣指定機関、(公益財団法人)安全衛生技術試験協会

受験料

6,800円

 

難易度

普通。合格率は60~70%

 

エックス線等透過写真撮影主任者

概要

エックス線装置またはガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影時に必要となる資格。特別教育の受講により取得できる。

 

受講資格

満18歳以上

受講内容

透過写真の撮影の作業の方法

エックス線装置又はガンマ線照射装置の構造及び取扱いの方法

電離放射線の生体に与える影響

関係法令

 

核燃料物質等取扱業務従事者

概要

加工施設、再処理施設または使用施設などで核燃料物質、またはそれにより汚染された物質を扱う業務を行うために必要な資格。特別教育の受講により取得することができる。

受験資格

満18歳以上

受講内容

・加工施設等において核燃料物質等の取扱業務に係る特別教育

核燃料物質若しくは使用済燃料又はこれらによって汚染された物に関する知識

加工施設、再処理施設又は使用施設等における作業の方法に関する知識

加工施設、再処理施設又は使用施設等に係る設備の構造及び取扱いの方法に関する知識

電離放射線の生体に与える影響

関係法令

加工施設、再処理施設又は使用施設等における作業の方法及び同施設に係る設備の取扱い

 

・原子炉施設において核燃料物質等の取扱業務に係る特別教育

核燃料物質若しくは使用済燃料又はこれらによって汚染された物に関する知識

原子炉施設における作業の方法に関する知識

原子炉施設に係る設備の構造及び取扱いの方法に関する知識

電離放射線の生体に与える影響

関係法令

原子炉施設における作業の方法及び同施設に係る設備の取扱い

 

  • まとめ

さまざまな問題がニュースで取り上げられる放射性物質。杜撰な管理などは言語道断であり、その取り扱いには十分注意し資格の所有者にはその自覚を強く認識してほしい。

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