建設現場で起こる爆発事故は何が原因?ガス爆発の危険性と事例

ニュースなどで「爆発事故」について、なぜ爆発が起きるのか疑問に思ったことはありませんか?特に建設現場では、安全管理をしっかりしていても時として事故が起きます。そうした労働災害の中でも、爆発事故はなぜ起きるのか。今回はそこに着目して、ご説明していきたいと思います。

 

建設現場で起こる事故について

以前もお伝えしたのですが、建設業での労働災害における死傷者数の割合は非常に高く、特に死亡者数は全業種の中でワースト1位となっています。それだけ危険の伴う仕事をしているわけですから、仕方ありません。ですが、そうした事故はしっかり防いでいかなければなりません、このため事業者は従事者に対して安全教育を受けさせることによって、安全に対する関心と知識を高めてきました。そして、技術の進歩などによって、従事者の安全を確保できる環境整備も進んでいることから、少しずつですがその数は減少傾向にあります。それでも、毎年一定数は死傷者が出ているのが実態です。

 

建設現場で起こる爆発事故の原因

さて、労働災害の中でも最も多いのが墜落や転落による事故ですが、今回は爆発火災などにおける事故について触れていこうと思います。ちなみに、平成30年の労働災害統計によると、爆発などによる事故は割合としては1.29%ということになっています。同データを見ると、以下のような内訳になっています。

<平成30年労働災害統計「爆発火災等」内訳>

・土木工事…トンネル⇒2件

・土木工事…その他⇒1件

・建築工事…木造⇒1件

 

合計4件の爆発事故が起きています。そもそも建設現場における爆発事故で、考えられる原因とはどういったものなのでしょうか?

 

爆発事故が起きる原因とは?

土木工事や建設工事中に起きる爆発事故の原因としては、いくつか考えられます。

 

・可燃性ガスへの引火。

・有機溶剤×溶接

・廃油などへの引火。

 

特に、ガスに引火で爆発が起きるのは想像しやすいと思いますが、溶接の際に塗料に引火するという事故も起きています。

 

ガス爆発について

こちらの動画は、札幌市消防局消防科学研究所が行った「スプレー缶・カセットボンベによる火災再現実験」の様子です。ストーブの前に置かれた缶が、9分程度で爆発しています。これは、可燃性ガスによって起きる爆発の様子です。カセットボンベ一本分でこの威力で、囲いがあってこの規模でおさまっていますが、例えば家屋内にガスが充満している状態でガス爆発が起きたらどうなるのか、それはとても恐ろしい事故につながることがよくわかりますね。

 

<原因>

ガス爆発の原因は、可燃性ガスが燃焼することによって起きます。爆発を引き起こす燃焼が起きるためには、3つの要素が必要だとされています。着火源・可燃物・空気(酸素)です。一つ一つご紹介していきましょう。

 

【着火源】

着火源は、爆発が起きる原因となる小さな高温部分を発生させる現象のことを指します。これには、裸火・高温物・摩擦・衝撃・静電気放電などといった種類があり、とにかく建設現場で起きやすい要素であることがわかります。小さな高温部分ということで、例えば火花などを想像するとわかりやすいですよね。火花でいいので、電気のちょっとした配線のほころびから、スイッチを入れた途端に爆発してしまう例もあります。ちなみにある条件を満たせば、人と金属の間に起きる静電気でさえも着火の要因になります。ですから、セルフガソリンスタンドでガソリンを入れる時は静電気除去シートが必ず用意されていますよね。こうした、着火源を可燃性ガスを取り扱う付近では排除することも安全配慮事項の一つとなります。

 

【可燃物+空気(酸素)】

これは、今回でいうところの可燃性ガスになります。可燃性ガスには、都市ガスやプロパンガスなどがあたりますね。ガス以外には、可燃性液体(ガソリンやアルコールなど)・可燃性固体(木材・プラスチック)なども爆発を引き起こす一つの要素となります。さて、これら空気と一緒になることによって爆発を引き起こす混合ガスとなります。これを爆発性雰囲気という言葉で表します。例えば、プロパンガスが1㎏あったとき、空間2㎥が爆発性雰囲気で満たされていることになります。この部分に、着火源があり3要素がそろった時、爆発が起きます。爆発で生じる火球は、壁がない場所では8倍程度の体積に膨張するとされえいますので、この希望の爆発で直径4~6m程度の範囲で火球が生じることになります。

 

ガス爆発の場合は、ただの火災ではないので、爆発の衝撃や爆風、建物の倒壊、飛散などと周囲に多大な影響をもたらします。また、可燃物と空気の混合によって爆発は起きますが、この場合のガス濃度が5~15%の時が最も大きな爆発力を得るとされています。このような条件になる場合、単純に家屋のガス漏れがあったとしても家屋が密閉されていなければ大きな爆発につながることはありません。つまり、密閉空間で爆発の危険性が高まるということです。先ほどのデータを見ると、トンネルという密閉空間で爆発事故が起きていますね。今はほとんどなくなりましたが、昔は炭鉱の坑道内でメタンガスが充満し、引火して爆発が起きる事例が多く見られました。これも密閉空間での事故です。

 

直近のガス爆発例

2020年7月30日に、福島県郡山市にて飲食店のガス爆発事故が起きました。この事故が起きた店舗では、骨組み部分を残して大破。周辺の建築物に多大な被害を与え、18人の死傷者を出しました。範囲は、数百メートルにわたるとみられており、150m先の病院でも窓ガラスの破損が確認されています。これだけの範囲で影響が出ていますから、漏れていたガスがかなりの量に及んでいたことが考えられます。この事故により、郡山市が避難所を設けるなど、対応に追われています。

この店舗は、事故当時改装中であったとされています。そして、現場ではプロパンガスが6本設置されていましたが。このうちの3本の栓が開いた状態で置かれていたようです。事故当時、現場では店舗の壁や床の張替えを行っていたため、「着火源」は何かまだわかっていません。詳しいことはこの後わかっていくでしょう。しかし、こうした現場の事故が従事者だけでなく、近隣の住民にも大きな被害をもたらしており、安全管理がどれほど大事か思い知らされるところです。この事故では、ガス漏れが確認されたため、事故後夕方まで電気を停めて事故処理を行いました。

ガス

有機溶剤×溶接

爆発事故は、ガス爆発だけではありません。塗料などに使われる有機溶剤が原因となり、爆発を引き起こすことがあります。例えば、有機溶剤を使用した塗装作業をしている付近でアーク溶接を行っていて、爆発が起き、死傷者が出ているケースがあります。通常、塗装作業の時は換気をしっかり行いますが、これが不十分であったために起きたのではないかと考えらえています。アーク溶接で出る少量の火花が、爆発を引き起こす着火源となったわけです。こうした事故は、船の補修作業などでよく起きているので、本当に気をつけねばなりません。

 

まとめ

建設現場で起きる爆発事故は、可燃性ガスや有機溶剤が着火源となり起こることがわかりましたね。これをきちんと防ぐためにも、作業を行う現場の環境をしっかり把握することが大切です。特に、ガスの管理会社や設置業者は、こうした事故を起こさないためにもガス漏れには最新の注意を払わなければなりません。

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