建築用ガラスの世界!ガラス施工技能士ってどんな資格?

建築用ガラス

建築現場で使われる建築用のガラスも、設置や取り付けの業務のための資格があることをご存じですか?今回は建築用ガラスについてと、その資格について詳しくご紹介していきます。

建築用ガラス

ガラスの歴史

<ガラスの起源>

ガラスの歴史って実はとても古いんです。ガラスの原料は、珪砂やソーダ灰、石灰石で、これらを溶かして固めることで製造されます。最初のガラスは紀元前4000年ごろのエジプトだとされています。それも、偶然の産物としてガラスができたようで、砂浜で焚火をしている時にたまたまできたというのが世界で最初のガラスだと言われています。この後、ガラスは器や皿などとして使われるようになっていき、アジアの方へも広まっていきます。

建築用ガラス自体も紀元前1世紀ごろにはすでに用いられていたとされます。「宙吹き」というガラスの製造法が開発されてから、ガラスを大量に造ることができるようになりました。そうなれば一般市民にも広まっていきますよね。こうして、ガラスは一気に普及し、その中で窓ガラスも一部で使用されていたようです。

日本にガラスの製造方法が伝わったのは1570年ごろだとされています。日本でもガラス細工の伝統工芸はありますもんね。薩摩切子や江戸切子などもここから発達していくわけです。

その後ガラスの製造も、産業革命を機に一気に工業生産ができるようになります。

 

<板ガラスの発達>

建築で使われるガラスを「板ガラス」と呼びます。日本では、ガラス細工としてガラスが発展してはいましたが、建築材料として使うというところまではなかなか進みませんでした。今でこそ、窓ガラスがない生活なんて考えられないですよね。窓ガラスの役割は、建築物への外気の侵入を遮断しつつ日光を取り入れることにあります。では、窓ガラスがなかった頃の日本家屋はどのように日光を取り入れていたのでしょうか?答えは、蔀戸(しとみど)というものです。格子状になっている木の板で、これは一般の住宅というよりは神社仏閣に用いられました。要するに、壁の隙間や戸を開放することで日光を得ていたわけです。当然、冬はめちゃくちゃ寒いでしょうね。さらにその内、障子が開発されることで、戸を閉めていても日光が感じられるという造りになっていきました。

江戸時代後期、鎖国を終えて外国の技術や文化が一気に流入してくるようになると、ここで西洋建築も入ってくるようになります。窓ガラスはついにここで日本人の目に触れるようになるわけです。西洋では、すでに板ガラスを造る技術が開発されていました。日本でもその技術を取り入れて明治時代には、板ガラスを製造する会社も立ち上がりますが、製造がなかなか波に乗りません。実はこの時、人力でガラスを吹いて大きくしていくことで板ガラスを造っていたので、体が小さな日本人にはなかなか生産が難しかったと言われています。たしかに、西洋人と比べると小柄な日本人ですが、体型の差がこんなところで影響を与えるなんて驚きですよね。そんなこんな、四苦八苦しながら1909年ごろ、ようやく日本でも板ガラスの生産がうまくいくようになりました。これが、旭硝子による板ガラス生産の幕開けです。元々国内生産ができうずに、ガラスを輸入していたので旭硝子の国内シェアも最初はとても輸入にかなうものではありませんでしたが、第一次世界大戦を契機に輸入がストップしたため、旭硝子の板ガラスが国内でぐんぐん業績を伸ばしていくこととなります。

 

<日本のガラスが世界で活躍>

そんなこんなで、こうした歴史を見ると日本のガラス生産技術は世界に劣るものだったかに思われそうですよね。実際、国内のガラス製産業は非常に大変な思いをしていたことがうかがえます。20世紀に入ってもは、ガラス産業はイギリスのビルキントン社・フランスのサンゴバン社・アメリカのPPG社がトップ3とされ、世界のガラス産業を支えていました。ところが、これをひっくり返すようなことが起きるのです。1990年以降に、グローバル化が進み日本のガラス産業が一気に海外進出します。旭硝子はこのグローバル化に向けていち早く準備をしていたため、この波に乗りベルギーの板ガラス会社を買収したり、最終的にはイギリスのビルキントン社を買収したりして、その勢いを強めました。国内の他のガラス生産会社も同じように波に乗り、一時期は日本のガラス会社が世界でトップ3を占めていたことすらあります。ただ、この後すぐにアジアの新興ガラス生産会社に取って代わられることにはなります。

この動画は少し古いものになりますが、板ガラスを製造している様子がよくわかりますね。

 

こうして作られる板ガラスの用途は、建築物だけではありません。薄型テレビの液晶画面などにも用いられており、特に現代での需要は高いと言えますね。

 

ガラスの取り付けに関する資格

さて、この動画を観てもわかるように、建築物にはめ込むガラスの大きさや重さは何人もの人間の力や機械の力が必要となるレベルです。これを取り付ける際には、専門の資格が存在します。

 

ガラス施工技能士の資格

この資格は国家資格である技能検定制度の一種となっています。この資格を持っていると、ガラス工事の施工に必要な知識と技術を持っていることの証明になります。

 

<受験資格>

1級

7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験

※学歴により異なる

 

2級

実務経験2年以上

※学歴により異なる。場合によっては実務経験不要も。

 

<試験内容>

学科

施工法

・ガラス工事の施工計画

・ガラス工事の段取り

・ガラス工事に使用する器工具及び機械の種類、用途及び使用方法

・ガラス工事の施工設備の種類及び用途

・ガラスの加工方法

・ガラスの取付け工法

・ガラス工事における養生

・住宅用サッシの取付け方法

・ガラス工事の関連工事の種類及び工程

 

材料

・建築用板ガラスの種類、規格、性質及び用途

・ガラスブロックの種類、規格、性質及び用途

・建築用板ガラス及びガラスブロックの取付けに使用する材料の種類、規格、性質及び用途

・わく、建具等の種類、規格及び構造

・住宅用サッシの性能、種類、寸法及び用途

・住宅用サッシの取付けに使用する材料の種類、規格及び用途

・関連工事用材料の種類及び性質

 

建築構造

・建築構造の種類及び特徴

・建築物の主要部分の種類及び構造

 

製図

・日本工業規格の建築製図通則に定める表示記号

 

関係法規

・建築基準法関係法令(ガラス工事に関する部分に限る)

 

安全衛生

・安全衛生に関する詳細な知識

 

実技

ガラス工事作業

・ガラス工事の段取り

・ガラス工事の施工

・積算及び見積り

 

※1級と2級で出題範囲が変わります。

 

費用は学科試験が3100円、実技試験が16500円で相場となっています。一般的な知名度はあまり高くありませんが、この技能検定は昭和46年から実施されており、検定としての歴史も古いです。受験者たちの声では、実技試験が思ったより難しいうというものが多いので、実技試験対策が必要となりますね。

ガラス用フィルム施工技能士

さて、ガラス関係の資格といえばガラスフィルム施工技能士があるでしょうか。こちらも技能検定の一つで、国家資格にあたります。ガラスフィルム施工ってなに?ということも含めて、詳しくはまた今度お話ししていこうと思います。

 

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