幹線設備は電気を届ける大事なケーブル
幹線設備の選定は重要
こんにちは、今回の記事ではケーブルの中でも、一番太い幹にあたる幹線設備を選定するに当たりどのようなことをしなくてはならないかをお話していきたいと思います。
幹線設備は電気を運ぶ大本のケーブルとなるため、全ての設備を確認した上でそこから選定する必要があります。
そういった設計に関することがいろいろあるため、ぜひ知っておいてもらいたいと思います。
幹線設備とは?
幹線設備というのはどこからどこまでかというと
・外部の引き込み点から受変電設備まで
・受変電設備から各分電盤まで
これら2つに分けることができます。
外から中へ、変電設備から各所へといった大きな流れを作っていく部分に当たる設備ですね。
大きな施設になればなるほど、幹線ケーブルの数も多く、更に太くなるため施工自体も非常に大変になります。
幹線設備に使用する材料は?
幹線設備では多くの電気を流せる設備のため、種類は限られています。
・ケーブル方式
・バスダクト方式
ほとんどの場合はケーブル方式を使用されることが多いのですが、まれにバスダクト方式が使われます。
ケーブルではCVTケーブルを使うことで500A程度の電流であれば流すことができます。
これだけの電流量があれば、大抵の建物であればまかなえますし、仮に足りなかったとしても、二重に配線することもできるので2本のケーブルにすれば1,000A程度まで対応可能です。
ケーブル方式は施工がバスダクト方式よりも簡単なので採用されるのですが、バスダクト方式のほうが電圧降下が少ないため、どうしてもバスダクト方式でないと対応できないところもあったりします。
ケーブル方式は電圧降下が影響してくるため、あまり長距離の電源供給には適していないのです。
幹線ケーブルの選定の仕方
先にもお伝えしたとおり、幹線設備は建物内の電力を総合して選定しなくてはいけないため、いろいろなことを検討する必要があります。
どのようなことを検討するかご紹介していきましょう。
トータルの電力量を計算
建物内で使用される電気設備の電力量を計算して、幹線ケーブルの太さを決めていくということが必要です。
建物内の電力というと照明でやコンセントはもちろんですが、大型なものですとエレベーターであったり、空調機であったり大量に電気を消費するところもあります。
単純にそれらを足し合わせていくと合計は出てくるのですが、そのままの数字でケーブルを選定すると実際の使用量よりも多くなってしまいます。
それは、需要率と呼ばれる値を計算に入れていないからです。
電気をどれくらい使うかの他に、どれくらいの頻度で電気を使うかというところも計算に入れていく必要があり、この頻度のことを需要率と言っています。
全体の電気の消費量×需要率で選定したケーブルを使用すれば、ケーブルの許容電流を超えることはないでしょう。
実際の使用量はここまでの計算で出せますが、そのとおりの値でいくとギリギリの可能性もあるので、更に安全率を見ることも必要だったりします。
例えば建物内の電流の合計が200A程度と計算した場合、ケーブルの許容電流は250Aくらいまで耐えられるようにするほうが良いでしょう。
あくまでも需要率は平均なので、どこかで電気の使用量が重なる可能性も十分にあるからです。
幹線ケーブルを施工するに当たり、その敷設の仕方によっても許容電流は変わってきますので、そこも忘れてはいけないポイントとなるのです。
電圧降下も計算する
許容電流については、このようにして計算していくのですが、それ以外に考慮しておかないといけないことは、電圧降下になります。
幹線ケーブルの電圧はケーブルが細いほど、その経路上で降下しやすく、幹線ケーブルが太いほど電圧は降下しにくくなっているからです。
許容電流が足りているからと言って、細めのケーブルを選択すると電圧の降下が大きく実際に使用する電気設備のところで、必要な電圧が足りないなんてことにもなりかねません。
そのため、幹線ケーブルを電圧降下の観点からも施工図上でケーブルの長さを確認しておき、その長さでどの程度電圧が硬化するかを確かめておかないといけません。
許容電流と電圧降下の両面で幹線ケーブルを選定し、施工することでケーブルにかかる費用や施工にかかる費用を抑えることができるのです。
幹線設備のまとめ
幹線設備は電気設備の中でも、計算に多くの時間を費やし、施工するための材料は高額なものを使用し、施工するときにも多くの労力がかかる重要な施工ポイントとなっています。
もし、選定を間違ってしまったときには、大きくお金と時間をロスしてしまうため、確認も何度も念入りに行なったりしています。
そこまでしておかないと電圧の降下や許容電流を超えてしまうなど重大なトラブルになりかねません。
安定した品質の電気をなるべく安く届けられるように、丁寧な検討と施工を行っていくようにしましょう。