変圧器は電圧を変更するための設備
こんにちは、今回の記事では電圧を変えるための設備である変圧器についてご紹介していきたいと思います。
電力ロスの関係上、送電の際にはどうしても電圧を高くして電気を送り出す必要があります。
ですが、電圧が高いままでは電気は使用しにくいので、自分たちが使い勝手がいい電圧に変更しなくてはなりません。
電気設備を取り扱う上で変圧器の知識というのは必ず必要となりますので、しっかりと覚えておきましょう。
変圧器って一体何?
変圧器とは文字通り、電圧を変えるための装置です。
どこに変圧器があるか、普段から生活していると皆さんはあまり気にすることはないと思いますが、意外と近くの至るところにあるものです。
発電所で作られた非常に高電圧の電気は各地に送電され、変電所というとこで一旦ある程度の電圧まで下げられます。
変電所は各地域ごとにありますので、見かけたことがある方も多いと思います。
変電所は大型な変圧器だと思ってもらって間違いはありません。
更にそこから送電されていきますが、電柱の上についている丸や四角のバケツのような形をしたものも変圧器です。
受変電設備を備えている建物の電気室などに入ったことのある人は間近で変圧器を見られたこともあるでしょう。
細かいところでは電化製品の中にも変圧器は入っています。
家庭用のコンセントは100Vですが、100Vがすべての家電に適しているわけではありませんので、電化製品ごとに変圧器を持っていて、そこで電圧を調整しているのです。
変圧器の仕組み上、電圧を変えることができるのは交流のみとなります。
電圧を変える中で電圧を上げる方を昇圧、電圧を下げることを降圧といいます。
変圧器の仕組み
変圧器の仕組みをお話する際には、中学校レベルの電気回路の知識が必要になります。
皆さんの中で苦手にしている人もいるのではないかと思いますが、よく思い出してください。
フレミングの左手の法則とか聞いたことがあるのではないでしょうか。
電流を流すと磁界にという磁力が発生します。
これを電磁誘導といいます。
逆に磁界が変化すると電気が流れます。
この仕組みを使って、
片方に電流を流す>磁界が発生する>もう片方で磁界が変化する>電流を発生する
という流れを作るのです。
コイルを作ると効率よく電磁誘導を起こすことができるので、変圧器の中にはコイルが入っています。
最初に電気を流す方を一次側、新たに電気が流れる法を二次側というのですが、この一次側と二次側の電圧をコイルの巻数を調整することで変更後の電圧を調整することができるのです。
変圧器の種類
変圧器の種類は大きく2つに分けられ、単相変圧器と三相変圧器の2つがあります。
電気設備として使用されるものの中で、電動機や発動機などの動力系の設備については三相交流が使われており、一般的に使用される電化製品などでは単相が使われているのでこの2種類になります。
電気を送電する上で、電線の使用量が少なく三相交流が世界でもよく普及している方法となります。
単相と三相は同じ回路には使えませんので、電気回路を混ぜることはできません。
ですが、先ほどご紹介したとおり、送電の際には三相交流で送られているので、単相を使いたいのであれば三相交流から単相を作り出す必要があります。
そこで登場するのが相変換変圧器と呼ばれる変圧器になります。
この変圧器を使用することで、三相交流を単相交流に変換できるようになります。
変圧器のメンテナンス
変圧器は長寿命な設備ではありますが、定期的にメンテナンスをする必要があります。
変圧器をメンテナンスする際には次のような項目に着目して起きましょう。
運転状態
変圧器に接続されている電圧計や周波数計などを確認して異常な値になっていないかを確認しましょう。
仮におかしな電圧や周波数になっていたとしても焦りは禁物です。
測定用の計器類のほうが変圧器よりも寿命が短いので、まずはそちらから疑いましょう。
外観点検
電線の接続箇所や外観にサビが出ていないかなど、状態に変化がないかを確認しておきます。
変圧器温度
変圧器には温度計がついているものや、サーモラベルがついているものがあります。
これらの変化を見ることで想定よりも高温になっていないかを確認していきます。
音
変圧器は電気を通すと、ブーンと低い音がします。
これが通常の音なのですが、この音が変わっていたり大きくなっていたりしないかを確認します。
臭い
変圧器内部で異常な高温状態になっていると焦げたような臭いがすることがあります。
そうした変わった臭いがしないかも合わせて点検しておく必要があります。
変圧器まとめ
変圧器は様々なところに設置されていて、使用したい電気設備に応じて適切な電圧を生み出してくれています。
大きいものから小さいものまでいろいろと種類はありますが、電気を無駄にしないために活用されています。
変圧をうまく活用することで、電力ロスを抑えて電気を送ることができるので必須な設備と言えるでしょう。