塗装工の仕事もロボットに奪われる?塗装業の種類と塗装ロボットの現実
塗装の分野は幅広く、前回ご紹介した道路標示も塗装に含まれますし、外壁の塗り替えも同じように塗装業となります。もちろん、人によってできることやできないことはありますが、この幅広い塗装という仕事、他にどんな仕事が含まれるのでしょうか?今回は、そうした塗装工と呼ばれる塗装の職人にスポットをあてて、その内容を見ていこうと思います。
塗装工の仕事
塗装工と言っていますが、巷ではペンキ屋と呼ばれることもあります。あの、北野武さんのお父様も塗装工でいらっしゃいましたね。塗装工の仕事と言えば、イメージが強いのは外壁の塗装ではないでしょうか?また、前回紹介した道路標示のペイントも塗装工の仕事に含まれます。さて、他にはと言いますと、例えば自動車などの機械、家具などの木製製品など、これらをペイントするのも塗装工の仕事となります。それぞれの仕事をもう少し詳しくご紹介していきましょう。
建築塗装工
建築塗装工は、住宅や建物の塗装作業をする塗装工のことを指します。外壁だけでなく、内装を手掛けることももちろんあります。フリーランスとしてこうした塗装工を行っている人もいれば、塗装専門の工務店を開業して仕事を行っている場合もあります。わたしたちが塗装工と聞いてイメージするのは、おそらくこの建築塗装工に分類されることが多いのではないでしょうか。
板金塗装工
板金塗装工は、自動車やバイクなどの塗装を中心に行う塗装工です。板金塗装工の場合は、自動車やバイクを扱っている会社に就職したり、修理工場に勤めたりするなどしている中でなることができます。特に、修理工場に勤める場合には、塗装だけでなく自動車やバイクのパーツを修理する仕事なども付随してきます。板金というのは、元々金属板を加工することを指すので、板金塗装工の場合はそうした職務も含むということなんですね。ちなみに、経験を積んで板金塗装屋を開業する人もいますね。
デザイン塗装工
デザイン塗装工は、家具や工芸品などを塗装する塗装工です。ただ、色を塗るだけではなく、製品としてのデザイン性も求められるので、そういったデザインセンスも必要となってきます。
塗装工の仕事は機械化されないの?
建設業界では、先進技術を利用して作業人員や作業時間の削減が行われています。そんな中で、塗装工の仕事は機械に取って代わられることはないのでしょうか?実は、塗装の世界にもそういった先進技術導入の波は訪れています!
元々、自動車のパーツの塗装などは既にロボット塗装が行われていますよね。そういった大量生産向けのロボットの他にも、このように少量多品種向けの塗装ロボットも開発されています。
アネスト岩田という会社は、塗装関係の機械も手掛けていますが、自動塗装装置分野に進出したのはなんと1954年とかなり早い段階でした。この頃、日本産業はどこも成長していて、そこに追従する形の新規展開だったのでしょう。この頃からずっと、塗装ロボットを取り扱っているわけです。
しかしこうしたロボット塗装は、イメージとしては工場で稼働するので、既存の建物や住宅を塗り替える作業は、人の手で行うしかないのかと思いますよね。ところが、実はその分野でもロボットが活用されつつあるのです。
ドローンを使って外壁塗装ができる?
ドローンと言えば、先進技術の中でも各業界で引っ張りだこのアイテムですよね。以前、ドローンについて取り上げた時に、外壁の劣化などをドローンを使って診断することができるということに触れました。この一歩先をいくドローンは既に開発されています。それが、「壁面走行ロボット」です。このロボットは、日東建設株式会社とボーダックが共同で開発をしたものです。本来の用途としては、壁を走行しながら劣化などの調査を行うというものです。特に、大きな構造物の打診検査のために開発されたと言えるでしょう。そういった作業は、これまでゴンドラなどを使って人の目によって行われてきましたが、これまでも触れてきたように高所作業は非常に危険を伴いますし、事故も毎年起きています。こうした事故の防止という観点からも、作業時間の短縮という観点からも、この画期的なロボットはこうした作業を刷新することとなります。
さらに、この技術を応用して外壁を塗装することができるロボットの開発も視野に入れているのだそうです。全面塗装とまではいかずとも、まずは補修作業を行える塗装ロボットができたら、いよいよ塗装工の仕事もロボットに奪われてしまうかもしれません。
ここでご紹介した壁面走行ロボット「IDA-03」はこちらのサイトで紹介されていますので、是非ご覧になってみてください。
https://www.itsg.co.jp/ida-03/
元々は今春受注開始予定でしたが、コロナの影響もあり遅れているようです。この後の続報を待ちたいところですね。
まとめ
今回は、塗装工の仕事の種類と、塗装ロボットについてご紹介していきました。まだまだ、塗装の世界は奥が深いので、何記事か通してご紹介していきたいと思います。