低圧電気取扱業務の重要性。夏場は特に工事現場で注意が必要です。
低圧電気取扱業務の重要性
目次
今回の記事では「低圧電気取扱業務って何?」といった電気はよくわからないという人に向けて、わかりやすく説明させていただこうと思います。
電気というと電気工事をする人しか必要がないと思われる方も多いと思いのではないでしょうか。
しかし、低圧電気取扱の特別教育は電気設備の施工管理を行っている私が、他の職種の方にも知っておいてもらいたい知識がたくさん含まれているので、
低圧電気取扱は工事現場で働く人であれば知っていて損することはないと思います。
これを機にぜひ資格を取っていただくことをお勧めいたします。
低圧電気取扱業務の知識は安全管理には必須事項となります。
低圧電気とは
低圧、高圧といった言葉については聞かれたことがあるのではないかと思いますが、どこまでが低圧で、どこからが高圧かについて、知っている方は少ないのではないでしょうか。
具体的には
・低圧とは、直流で750V以下、交流で600V以下
・高圧とは、それ以上の電圧
のことを指しています。
電圧のことだけを聞いてもイメージがわきにくいと思いますが、工事現場で使用されているような電源は、特別な機械でもない限りはほとんどが低圧で動く設備となっています。
高圧電気については、電気工事を担当する会社以外では触れることはほぼないでしょう。
低圧であっても、電話設備やインターネット関連、音響設備などは電圧がとても低いため危険性はあまりありません。
工事現場で使う電気はほぼ低圧電気となります。
電気の危険性
電気の危険性としては、間違いなく低電圧のよりも高電圧のほうが、低電流よりも高電流のほうが、当然人体に与える影響が大きいため危険と言えます。
ですが、感電死亡事故を発生した電圧別で見ると、低圧での件数が一番多くなっています。
これからも低圧電気の事故ほうが、身近にあるということがよくわかります。
身の回りのコンセントは100V程度ですので、そこから漏れた電気などが事故の原因となります。
低圧での感電死亡災害は夏季が一番多くなっています。
その原因として
・夏場は汗をかくため、電気が流れやすい。
・薄着のため、帯電箇所に直接触れやすい。
・暑さから注意力が散漫になる。
ということが挙げられます。
42Vでも死亡したケースもありますので、電圧が低いからと言って注意を怠ってはいけません。
電圧が低くても死亡事故は起こります。夏場が特に危険です。
感電するどうなるか
感電したときに、人の体にはどのようなことが起こるでしょうか。
人の身体は筋肉が伸び縮みして動くことで思い通りに体を動かせます。
筋肉を動かすときは、脳から電気信号が神経を通じて届くことで動かすことができます。
感電してしまうと、この電気信号のより強い信号が筋肉に流れてしまうため、普段では出せない力で筋肉が収縮をします。
こうなると自分の力では感電している箇所を動かせません。
感電の仕方で多い経路は手から足となっています。
帯電しているところを手で触ってしまい、電気は地面に向かって流れるので足から出ていきます。
つまり手から足までのすべてが自由に動かせなくなるのです。
電気が流れた経路には電気によりダメージが入るため、ひどいときには筋肉が壊死してしまします。
そして一番危険なのが、筋肉の塊である心臓に電気が流れることになります。
心臓にダメージが入ると最悪の場合、死に至るということが起こってしまうのです。
感電災害は発生件数に対して、重大事故になる確率が非常に高いのも特徴の一つです。
感電すると動けない、感電した場所は損傷します。
特別教育の低圧電気取扱を取ろう
低圧電気取扱の特別教育では、ここまでお話ししてきたような低圧電気の危険性を学ぶことができます。
また、感電の恐れがある作業はどのような作業手順ですべきか、合わせて学ぶことができるため工事現場での作業のリスクを大きく下げることに繋がります。
危険を伴う作業というのは工事現場でも数多くありますが、ほとんどの作業については知識がない人が見ても危険と感じることができるものがほとんどだと思います。
ですが、電圧を帯びている箇所というのはその危険性は実際に目で見ても判断がつかないというのも、感電の怖さです。
厳密にいうと、受電設備などの高圧の設備の近くに行くとぞわぞわとしてくる感じを感じることができるのですが、低圧ではそこまでの強さがありません。
そういった要因もあり、工事現場での施工で電気機器を取り扱う機会はとても多いにもかかわらず、あまり危険だと思っていない人が多くいるというのが、現状だと思います。
特別教育で、電気の危険性を知りましょう。
まとめ
工事現場では仮設の電気設備が使われており、これらは一般の方が触ることを考慮されていない工事用の設備のため、非常に感電しやすい状態で使われています。
そこから気軽に電源を取って使おうとする方をひやひやしながら見ていることも多くあります。
低圧電気取扱の特別教育が電気工事を行う方だけでなく、多くの方に必要となる教育であるということを、この記事を読んでいただいた方に少しでも伝わればうれしく思います。