感電を起こしたら最悪は死に至る
こんにちは、今回の記事では電気を扱う電気工事士には避けては通れない感電の危険性についてお話していきたいと思います。
感電というと電気に触れると電気が人体に流れて悪影響を及ぼすことを言いますが、その感電にも程度の違いがあり、ひどい場合には死んでしまうこともあります。
感電が起こる状況というのをよく理解した上で、電気を扱うようにしてもらいたいと思います。
感電とは?
感電とは具体的には電気に触れることではなく、体の中に電気が流れて体に悪影響を与えることを言います。
感電が起こる原因としていくつかパターンがあります。
・電圧がかかっている2点間に触れたことにより、人体に短絡電流が流れる。
・電圧がかかっている電線や機器に触れて電流が人体を通って地面に流れる。
・漏電しているところに触れてしまい、漏電電流が人体を通って地面に流れる。
これらのケースに分類されます。
ほとんどの感電については2つ目の電圧がかかっている電線や機器による感電が一番多くなっています。
基本的には電圧がかかったところに触れてしまうと、電気は電圧の低い方に流れていくようになっていますので、そこで感電が起こるのです。
感電の被害の大きさは次の項目によって変わってきます。
・流れた電流の大きさ
・電流が流れていた時間
・電流の流れてた経路
それぞれの影響についてまとめていってみましょう。
電流の大きさ
電流が人体に流れたときにおこる影響は次のような感じになります。
・1mA :少し感じる程度
・5mA :痛みを感じるレベル
・10mA :刺されたような痛みを感じる
・20mA :筋肉が痙攣し、動けなくなる
・50mA :人体に重大な被害を及ぼす
・100mA :致命的な被害を受ける
このようになっています。
電気が人体を流れるときの怖いところは体が動けなくなることと、細胞が壊死してしまうことにあります。
人の体を動かすときは筋肉を動かすことによって、動けるようになるのですが、この筋肉を動かすように命令するときに電気信号が流れています。
感電するとこの電気信号の代わりに勝手に筋肉に命令をしてしまうため、筋肉が自由に動きません。
これについては自分の意志ではどうしようもないのです。
そして、電気は流れたところで熱エネルギーに変換されるため、大量の電気が人体に流れたときにはその部分が焼け焦げてしまい、細胞がすぐに壊死してしまうのです。
一度壊死してしまうと修復ができなくなるので、切断するしかありません。
仮にこの電気が心臓付近を流れてしまったときには、死に繋がるのです。
電流の流れていた時間
先ほどご説明したとおり、電気が人体に流れているとその間、体の自由が効かなくなり電流が流れているところがダメージが入っていきます。
人体に電流が流れている時間が長くなっていくと、電流によるダメージも少しずつ多くなっていくので、比較的に弱めの電流で感電したときでも、重大な事故になることもあるのです。
過去の死亡事故の中で、一番低い電圧では42Vの電圧で感電死したという事例もあります。
電圧が低いということはその分人体に流れる電流もそれほど大きいはずはないのですが、それでも死亡事故が起こるということは認識しておいてもらいたいと思います。
ですので、この42Vという電圧を死にボルト(42V)というように呼ばれています。
電流の流れていた経路
先ほど少し触れましたが、電流というのは流れているところにダメージを与えます。
感電事故のほとんどが手で帯電しているところに触れて、その電気が体内に入り、足から逃げていくという経路を通ります。
そのため、経路的には胴体を通って行くことが多いのです。
その場合は手、胴、脚とそれぞれダメージを受けます。
手や脚が感電によって壊死してしまうとその部分は切除してしまうしかないこともあるのでその後の生活が一変してしまうでしょう。
死亡事故ではないものの重大事故ですね。
これがもし、右手から入り左手に電流が逃げるような経路で電流が流れてしまうと心臓に電気が流れてしまうかもしれません。
そうなると、最悪の場合、心臓が壊死してしまうことになるかもしれません。
同じ電流であっても流れる経路によって重大さは大きく変わってくるのです。
感電しやすい条件があるのです。
人体に流れる電流の大きさによって、感電の被害の大きさが決まってきますが、その電流値が高くなってしまう状態というのが存在しています。
その条件とは人体の電気抵抗が低くなっているときのことを言います。
知っている方もいるでしょうが、体が濡れているとそれだけで抵抗値が大きく下がります。
なので、夏場など汗をかいて体が濡れている状態ができてしまっていると感電事故が起こりやすくなります。
逆に言えば、抵抗を高めるようにすれば感電は防げるので、保護具をきちんと付けるようにし、半袖での作業など皮膚が露出するような格好で作業をしないことが必要です。
感電事故が起こらないように、普段からきちんと意識して作業をするようにしましょう。