電気代は国によって違う
こんにちは、今回は各国の電気代がどのくらいの水準なのかを見ていきたいと思います。
日本国内に置いてもどの電力会社に契約しているかによっても値段が全然違ってきますが、参考までに見ておいてもらえれば日本が世界的に見てどれくらいの電気代なのか理解することができるでしょう。
たまにはそういった違った視点で見てみると良いかもしれません。
日本の電気代
日本に住んでいるといつも当たり前のように電気代を支払っていますが、世界的に見てみると割と標準的な金額に収まっていると言えるでしょう。
日本の電気代の平均は大体1kWhあたり25円となっています。
1990年代の電気代は世界的に見てもかなり割高の金額を設定していました。
そこから世界の電気代が徐々に上昇していったことにより、日本との格差がなくなっていき標準的な価格に収まったと思われます。
日本のそれぞれの電力会社の企業努力もあり、電気代は徐々に減少傾向を示していたのですが、2011年の東日本大震災によって原子力発電所が危険視され、次々と原子炉を停止していったことにより、発電のコストが上昇したことからここ数年では電気代は上昇傾向になってしまっています。
電気代が高い国
電気代が高い国はいくつかありますが、一番高いと思われる国はデンマークのようです。
デンマークでは1kWhあたり35円~40円の金額となっており、日本と比較しても1.5倍程度の金額になっています。
その他に電気代が高い国は以下のような国が上げられます。
・ドイツ
・イタリア
・スペイン
電気代が高い国がヨーロッパに固まっているので、比較的にヨーロッパのほうが電気代が高くなる傾向が伺えます。
電気代が安い国
電気代が世界で一番安いと思われる国はカナダになります。
カナダでは1kWhあたり10円程度の値段となっており、日本と比べてみても半額以下になります。
羨ましい限りですね。
その他にもアメリカや韓国なども安く1kWhあたり15円程度になっています。
電気代が国ごとに違う理由
電気代が国ごとに標準が全然違うことにはそれぞれの国の政策が大きく関係しています。
基本的に電気代が高い国というのは環境に配慮するために電気に対して大きく税金をかけていたりするので、電気代が高くなりがちです。
また、効率を重視した発電方法ではなく、再生可能エネルギーの普及に力をいれていることもあり、発電自体のコストが大きくなっているのも原因に上げられます。
また、発電の多くを火力発電に頼っている国では発電に当然ながら化石燃料である石油を多く輸入するしかありません。
ですので、電気代というのはこの原油価格にも大きく影響されるのです。
海外の国が関わる都合上どうしても為替のリスクと原油の価格に左右されてしまうので、そういった状況の中で電力会社が安定して存続できる状況にしておくために電気代は高めに設定されているのです。
原油価格というのは電気代には大きく影響しており、原子力発電の比率を上げることで電気代は変動が少なくなり、コストの削減ができるようです。
電気代の安いカナダでは珍しいことに水力発電の割合が多めになっているのです。
水力ですので発電量は少ないものの原価が安くなっているので電気代も安くなります。
アメリカは実は火力発電がメインになっているのですが、電気代が安い国となっています。
アメリカのように自国で化石燃料を調達できる国であれば、原油を国外から輸入する必要がないため、価格の高騰などを避けることができるのです。
電力自由化によって電気代はどうなる?
日本では2016年に電力自由化されました。
皆さんは電力自由化についてはお聞きになったことはありますでしょうか。
電力自由化の目的としてはこれまで各地域の電力会社が独占状態だった電力事業で各企業が競争できるようにすることで、電力事業の競争力を強化しコストの削減を行っていくことです。
始まった当初はこれまで主力だった各地方の電力会社にその他の企業が太刀打ちできるのかといった懸念はありました。
現在では少しずつではありますが、電力会社を変更する人も増えてきています。
単純にやすさだけで選んでいる人もいれば、環境に配慮した会社を選ぶ人もいて、選び方は人それぞれです。
東日本大震災で東京電力の信用が下がったことも電力自由化にとっては追い風だったのかもしれません。
現在では当初の目論見通り、電力会社同士の競争が進み、電気代が少しずつ安くなり、サービスも向上しているという実績も出ています。
世界の電気代まとめ
各国の電気代についてはその国の背景などが色濃く影響しています。
単純に電気代が高い安いだけでなく、その国がどのようなことに力を入れているのかもわかるので、その国の個性が見え隠れします。
日本国内でも電力自由化によって電力会社を選べる様になっているので、単純に電気代といった考えだけでなく、その背景にある社会模様にも目を向けても良いのではないでしょうか。