テナントビルの工事で気にする点|電力は限られている
テナントビルでの電気工事
こんにちは、今回の記事では大きなテナントビルの中にある店舗の電気工事をするに当たり、注意しておきたい点をご紹介していきたいと思います。
テナントビル自体は大きいですが、各店舗ごとなら小さいのでそれほど難しくはないです。
でも小さいから制約もそれなりにあるため、設計段階から出来上がったときの配置などが決まっていないと後から困ったりすることもしばしばあります。
他の店舗とのトラブルも出やすい環境ではあるので、テナントビルの店舗の工事のときには事前に電気工事担当と綿密に打ち合わせをしておきましょう。
テナントビルの設計で気をつける点
テナントビルは一区画ごとの電気の使用量が少なく、その分限られた電力をうまく配置して使っていく必要があります。
かといって過剰な設備をつけてしまうと店舗の数が多いため、全体の工事の費用が大きくなってしまいます。
最小限かつ要望を叶える設計のために必要なポイントをご紹介していきます。
コンセントの数、配置
テナントビルで一番多い相談がコンセントに関することになります。
使いたいところにコンセントがないと、その都度必要なところから延長コードなどで追加して使うことも多いそうです。
ですが、コンセントの回路分けも事前に打ち合わせをして必要な回路数ギリギリであることが多いです。
そこに延長コードを使用して消費する電力を増やしてしまうと、使用可能な容量をオーバーしてしまいブレーカーが落ちることになります。
何より、延長コードは引っかかる可能性もあり、危険だったりするのでそれも避けておきたい点ですね。
このような事にならないように、テナントの電気設備を設計するときにはあらかじめ、どこに何を置くのか、それぞれの電力量がどれくらいなのかをきちんと打ち合わせをして置くことが大切です。
最終のレイアウトがしっかり決まっていればトラブルも防げます。
たまに、全然考える気のないテナントオーナーもいますが、そういう人はだいたい商売に失敗します。
電気の容量
テナントビル全体としては高圧受電で電力を受電し各所に電気を配っていっていますが、その中でテナントの一角だけの電力はかなり限られたものになります。
一般家庭とは違い、店舗で使用する電気設備の中には多くの電力を消費する設備もあります。
テナント側とテナントビルの間で電力の契約するときにどのくらいの電力量で契約するかなどを決めるのですが、それまでに必要な電気設備の電気容量を積算して出しておく必要がありますね。
テナント側とテナントビルの間には、きちんとした責任分界点となる開閉器、いわゆるブレーカーの大きなものをつけるのですが、その開閉器の選定にも必要になるので計算しておいて損はありません。
せっかくテナントの工事を終えて、いざ店舗を作ってから電気設備の容量がオーバーで使えなかったなどの自体になったら、目も当てられません。
電力の消費量はきちんと把握しておきましょう。
負荷の一極集中
テナントのレイアウトをきちんと作っていくと電力が集中するばしょがでてくることもあります。
テナントのお店の内容にもよるのですが、飲食店などは特に厨房のあたりに電力が集中しがちです。
あまりに電力が集中しているとその部分だけ電気設備の劣化も早く、漏電の原因になることが多くなります。
漏電が続くと火災に発展することもあるため、非常に危険です。
負荷が集中してしまわないように、電気設備の配線については負荷を分散させるようにしておきましょう。
分散することで、1回路あたりの電力不可を減らすことができるので、漏電の危険性や火災のリスクを減らすことができます。
将来の可能性を想定する
電気設備の設計の中で、今予定している設備がすべて動くことは当たり前です。
それに加えて将来的にテナントの中を模様替えであったり、事業の切り替えなどをする可能性があるのであれば、それらも考慮して設計をしていく必要があります。
例えばですが、事業展開で新しい設備を導入することを想定しているのであれば、その分の電気容量を見ておかないと置くことができません。
一定期間の契約でお店を出していたりする場合は、すぐに別のお店に変わるので、ベースに当たる部分の電気設備とお店ごとに合わせて作る部分を分けて設計するなど、手軽にお店を入れ替えられるようにしたりもします。
事業の変更のたびに大規模な電気工事が必要になっては費用もたくさんかかってしまいます。
なるべくそういった事にならないようにテナントの設計はしておきたいですね。
テナントビルの工事まとめ
テナントビルの工事は大きな建物の中に更に別の建物が入っているようなイメージになります。
ですが、テナントの特徴として小型な店舗なので電気の量は少なめに設計されています。
限られた電力量の中で無駄なく最適なものを作るために綿密に計画をしていきましょう。
どんなふうに考えたらいいかわからない方は、電気工事業者に相談するといいでしょう。