ダイオキシンを扱う仕事って?ダイオキシン対策のための作業従事者特別教育に注目!

ダイオキシンとは?

ダイオキシンというのは、有害な物質として聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ある特定の物質を示しているのではなく、いくつかの化学物質をまとめて「ダイオキシン類」と呼んでいます。例えば、

 

・ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン

・ポリ塩化ジベンゾフラン

・コプラナ-ポリ塩化ビフェニル

 

こうした化学物質を指します。他にも、細かくみていくと200種類以上のダイオキシン類が存在しています。この中で、冒頭に触れたように有害とされるダイオキシン類は29種類のみとされています。ダイオキシン類は、山火事や火山噴火などによって自然発生する物質ではありますが、人工物の中から発生します。例えば、塩化ビニルなどの塩素を含む合成樹脂や生ごみなどの焼却処分の際に、ダイオキシンが大量に発生しています。これが大きな問題となり、日本では平成9年に規制が強化されたのです。残念ながら、自然による分解が難しい性質を持っているので、発生すると環境に残ってしまいます。毒性のあるダイオキシンの影響によって、がんが促進されたりホルモンが乱されたりと人間や動物の体に影響を与えることがわかっています。こうした毒性が確認されていますが、日常生活の中でそうした影響が起きるほどに大量のダイオキシンを摂取する機会はなかなかないと言っていいでしょう。

 

さて、今回はこうしたダイオキシン類を扱う仕事と、その資格について紹介していきます。

 

ダイオキシンを扱う仕事とは?

先に紹介した通り、ダイオキシンはゴミの焼却の際に発生します。このため、焼却施設ではダイオキシンを扱い仕事があります。ダイオキシンを扱う人は、ダイオキシン類作業従事者と呼ばれ、特別な資格が必要になります。具体的には、以下のような仕事が挙げられます。

・焼却場

家庭で出たゴミを焼却する際にはダイオキシンが発生する可能性があるので、それらの分別・現場の環境整備・業務遂行のための計画管理などをおこなっていく。

・産業廃棄物業

運ばれてきた産業廃棄物の分別や、現場の環境整備、業務の遂行のための計画・管理も仕事に含まれる。プラントを動かし続けるために、24時間体制で業務おこなっていく。

・解体業者

特に、産業廃棄物が発生する現場や焼却場の解体などではダイオキシンが発生しやすいため、作業車の資格が必要になる。

・化学工業

環境分析のサンプルを採集する仕事がある。各地域の環境を分析して、ダイオキシン濃度を測り、対策や計画を練る仕事もある。

 

先に紹介した通り、ダイオキシンには毒性のあるものがあります。このため、ダイオキシン類作業従事者の仕事には、命に関わる危険な業務も含まれています。資格の取得自体は難しいものではありませんが、作業に従事する際には専門的な知識が求められることになります。

 

ダイオキシンによる健康被害

ここで、ダイオキシンによる健康被害の具体的事例を一つ見ていきます。ダイオキシンによる健康被害は各国で事例が報告されていますが、日本では主にダイオキシンによる土壌汚染が大きな問題となりました。1997年に、大阪府にある豊能郡美化センターで過去最高濃度のダイオキシンが検出されました。検出後、すぐに稼働を停止し廃炉となりましたが、美化センター内だけでなく周辺の土壌汚染の処理が問題となりました。汚染された土壌は約9000トンにのぼり、合わせてセンター内の廃棄物の処理に追われました。このダイオキシン汚染の原因としては、美化センターの一般廃棄物焼却炉の欠陥とされています。また、当時の従業員は血液中のダイオキシン濃度が一般の平均値の10倍にものぼっていたことから、体内汚染も確認されました。数値としてこうした濃度が話題になりましたが、実査には発がんを起こすレベルではなく、また皮膚障害などを引き起こす原因にもなるレベルではないことが報告されています。しかし、その時は健康被害が確認されませんでしたが、その後のダイオキシンによるさまざまな病気を引き起こすリスクを負わされたという点での健康被害は否めません。こうした問題もあり、日本では、1999年にダイオキシン類対策特別措置法が制定されています。

ダイオキシン類作業従事者特別教育とは

労働安全衛生法第59条第3項では、以下の業務を行う際には従事者の特別教育受講が義務付けられています。

 

・廃棄物の焼却施設においてばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取扱う業務

・廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務

・廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及びこれに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取扱う業務

 

特別教育の内容は以下の通りです。

特別教育の内容

<学科>

・ダイオキシン類の有害性(0.5時間)

・作業の方法及び事故の場合の措置(1.5時間)

・作業開始時の設備の点検(0.5時間)

・保護具の使用方法(1時間)

・その他ダイオキシン類のばく露の防止に関して必要な事項(0.5時間)

<実技>

なし

 

合計4時間の講習で、費用は10000円程度です。

まとめ

ダイオキシンは非常に危険な化学物質なため、扱うには専門的な知識が必要です。このため、従事者は特別教育を受けなければなりません。ただ、その特別教育は受講時間が比較的短く安価で受けられるメリットがあります。この機会に受けてみてもいいかもしれないですね。また、合わせてダイオキシンによる環境問題についても興味をもっていただけたら幸いです。

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