ケーブルラックで配線がお手軽になる|まとめての配線にはラックを使おう

ケーブルラックで施工もらくらく
こんにちは、今回の記事ではたくさんのケーブルであったり、幹線ケーブルを敷設する際に用いられるケーブルラックについてお話していきたいと思います。
ケーブルラックでの施工はその他の施工方法よりも配線がキレイに並べられ、メンテナンスの際の手間も少なく済むため、大型な建物ではほぼ必ずと言っていいほど採用されています。
ケーブルを大量に敷設するキュービクルや受変電設備付近から各分電盤まで、分電盤からたくさん電気を消費するところまでなどをつなぐ際に採用されることが多くなります。
ケーブルラックはあくまでもケーブルラックなので、ケーブルしか乗せることができず、電線をそのまま乗せることはできませんので、そのへんは要注意です。
電線とケーブルの違いについては、過去記事をご覧ください
ケーブルラックの施工方法
基本的な施工方法
ケーブルラックを施工する際にはスラブや鉄骨、梁などからボルトを下ろしてきてそこに吊るすような形で取り付けていく必要があります。
ケーブルラックの施工の支持する感覚については内線規程で定められていおり、水平なのか、垂直なのか、ケーブルの総重量がどれくらいなのか、建物の耐震設計がどれくらいなのかといった様々な要因によって選定する必要があります。
地震対策には振れ止め
地震対策として一定間隔で支持しているボルトとは別に振れ止めのためのボルトを斜めに下ろしてきてケーブルラックに取り付ける必要があります。
地震が多い日本では必須の施工と言えます。
接地工事
ケーブルラックは金属でできているため、もしもケーブルから漏電してしまった場合、ケーブルラックに触れるだけで感電してしまいます。
そのため、ケーブルラックには接地工事もしておく必要があります。
ケーブルラック間をアースの線で接続し、どこかで接地極と接続して電気を地面に逃がすように施工することも必要になってきます。
弱電とのセパレータ
ケーブルラックには強電と弱電を両方との載せたいときもよくあります。
それぞれを別のケーブルラックにする方法もありますが、1つのケーブルラックで施工できるならそのほうが楽なので、ぜひそうしたいですよね。
そんなときに使用するのがケーブルラック内にセパレータと呼ばれる、弱電と強電を分ける部品を取り付けることで1つのラックに両方を乗せることができます。
必要であればつけるようにしましょう。
でも、このセパレータもケーブルラックと同様に設置工事をしなくてはなりませんので、お忘れなく
カバーでの保護
ケーブルラックを屋外や人が触れる可能性があるところに施工する場合、ラック自体にカバーを設けて保護してあげることも必要になってきます。
このカバーですが、人が乗っても良いタイプのものもあるため屋上などでスペースが限られるところの場合はいっそのことケーブルラックを通路として活用する方法もありますので覚えておきましょう。
このカバーは非常に風の影響を受けやすいので固定に関しては思っている以上に強く固定しておくことが必要です。
もし飛んでしまったら大変なことになります。
ケーブルラックの種類
ケーブルラックははしご型のものとトレイ型のもの一般的によく見られます。
中でも私が施工する際によく使用するのははしご型のケーブルラックがほとんどです。
はしご型ケーブルラック
はしご型というくらいなので、形としてははしごのようになっています。
ケーブルラック上にケーブルを敷設した跡にはしごの桁のところにインシュロックなどで固定するだけでいいのでケーブルを固定するのが楽なのが良いところです。
ケーブルの固定が楽でいいのですが、同じ桁にたくさんのケーブルを固定しすぎるとその桁だけ応力がかかり、故障の原因となりますので、ケーブルが幹線など重いもので、たくさんの敷設をしなくてはいけない場合はそこらへんも注意しましょう。
施工は楽でいいのですが、下から見上げたときにケーブルがそのまま見えてしまうため、直天井のところに敷設する際に嫌がられることもあります。
そういったときにはラックに敷くネットなどもありますので、そういったもので見た目を良くするというのも良いでしょう。
トレイ型ケーブルラック
トレイ型の場合は、ケーブルを敷設するところが全て鉄板で覆われているのでとても見栄えの良いケーブルラックになっています。
ケーブルの固定については、そのための穴が空いているのでそこにインシュロックを通して固定するしかありません。
トレイ型のケーブルラックははしご型と比べ費用がかかり、なおかつあまり幅広のものがないため、どちらかというと意匠を想定した材料ではあります。
ケーブルラックまとめ
電気工事をする中でケーブルラックは必須の施工方法です。
その注意点や施工ポイントなどは把握しておかないと思ったとおりの施工ができません。
材質や重量、ラックの幅、振れ止めの位置、などなど抑えるところは決まっているので一度覚えると簡単にイメージできるようになります。