キュービクルの内部を公開!高圧受電設備にはこんなものがついている
高圧受電設備の内部を公開
こんにちは、今回の記事では高圧受電設備の内部にあるものをご紹介していきたいと思います。
電柱にある6,600Vの電線からどのようにして繋がってきているのかなどのイメージをもってもらえればと思います。
主な機器の種類
開閉器:PAS
目次
まず一番初めに外部の電柱からこのPASに高圧電線が入ってきます。
このパスで外部と内部を切り分けており、電力会社との責任を切り分ける場所となってします。
建物内で事故が発生した場合には、電力会社側の設備に波及していかないように先にこのPASで遮断するようになっています。
変圧器:T
変圧器はその名の通り、入ってきた電圧を別の電圧に変化させることのできる機器になっています。
トランスとも呼ばれTで表されることも多くあります。
外部の6,600Vが低圧である200Vや100Vに変圧されるのは、変圧器によって行っているのです。
その仕組みはコイルと電磁誘導によるものなのですが、あまり詳しく知らなくても容量だけ気にしておけばOKです。
一般的な電灯やコンセントは単相、発動機などの動力系は3相というといった違いもあります。
高圧進相コンデンサ:C
電動機などのコイルが関係する設備を運転する際に、電気の位相が変化して無効電力が多くなります。
その位相を戻し、無効電力を相殺して有効電力を多くすることで電気の効率を上げることができます。
この効率のことを力率といい、推定される無効電力に応じてコンデンサの容量も変えていきます。
直列リアクトル:SR
上記の高圧進相コンデンサに直列に接続する抵抗です。
コンデンサに電気を投入する突入電流と呼ばれる大電流が流れます。
その突入電流を抑制するために設置するのがこの直列リアクトルです。
電力需給用計器用変成器:VCT
高圧や大電流となると通常の計器では許容範囲の関係もあり、測定ができません。
そこでそういったものでも測定するための計器のことを電力需給用計器用変成器、通称VCTといいます。
高圧なものを変成するのですが、その変成が非常に正確なのがこの計器の特徴といえます。
高圧交流不可開閉器:LBS
変圧器の一次側に設置される開閉器です。
PASを開いてしまうと建物内すべての電気が止まってしましますが、LBSは変圧器ごとについているため
細かく停電工事を行うことができます。
また、ヒューズ付きのものもあり異常時には自動的に遮断することのできる機能を持ったものもあります。
断路器:DS
電気設備のメンテナンスを行う際に回路を切り離すために設置する設備です。
物理的に回路を切り離すだけの設備ですので、高電圧がかかったまま開閉を行うとものすごい火花が飛び重大事故になること間違いなしです。
切り離しの際にはPASを開いてからにしましょう。
高圧交流遮断器:CB
過電流や短絡などを事故電流を遮断することができる機器です。
高圧版のブレーカーというとわかりやすいのではないかと思います。
いろんな場面で電気回路を保護できますが、開閉を何度もするような機器ではないため
使用するのはメンテナンスの時くらいです。
よく使用される真空を利用したものは真空遮断器:VCBといわれます。
避雷器:LA
文字の通り雷対策の機器となっています。
通常、地面は0Vとなっているのですが、雷が落ちた時に一時的に地面電圧が上がるという現象が起きます。
そのため、相対電圧が低い方受変電設備へ電気が逆流してくるのです。
こういったことを避けるために、逆流防止弁として避雷器が設けられます。
高圧カットアウト:PC
高圧開閉器の一つです。変圧器の1次側の保護用として300kVAまで、高圧進相コンデンサ保護用として50kvarまで使用可能です。
VCBやLBSよりも安価なのですが、その分開閉性能が低く事故電流の遮断ができません。
機能面で足りないところも多いですが、安価なところも含めて使用することを検討します。
継電器・計測機器類
過電流継電器:OCR
設定以上の電流が流れると動作する機器。
電線や機器に対しての過負荷や短絡などを防ぐ役割がある。
地絡継電器:GR
設定以上の電流が地面に漏れた場合に動作する機器。
電線などが劣化して電流が漏れ出ているかを検知することができる。
不足電圧継電器:UVR
設定以下の電圧を検出した際に動作する機器。
非常用発電機などの起動などに使われることが多い。
過電圧継電器:OVR
設定以上の電圧を検知した際に動作する機器。
予期しない過電圧から電気機器を保護するために使用されます。
計測機器類
電圧を計測する電圧計:VS
電流を計測する電流計:AS
消費電力を計測する電力計:W
電力量を測定する電力量計:Wh
などの計測機器もついています。
これらは使用する人たちが確認するためのものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一言で高圧受電設備、キュービクルといってもこれだけ多くの機器類が内蔵されているんです。
一般的には知らない人がほとんどですが、こういった電気設備の知識を持っていると災害などで停電したときも状況などを理解するのが早くなるのではないかと思います。
興味がある方はぜひ電気設備について調べてみてください。