めざせ「建設マスター」!?建築関係者表彰制度について解説
建設マスターってなに?
目次
建設業界は、近年人手不足が深刻です。今後、少子高齢化が進めば間違いなく労働力が不足してより大きな問題となっていくでしょう。このため国土交通省は、建設業界で優秀な成果をあげたり後進の指導や育成に貢献している人を狭小することをもって、建設業界に携わる人たちの社会的地位を向上させるとともに、広く知ってもらうことで従事者を増やしていこうという趣旨のもと、「建設マスター」を表彰する制度を始めました。第1回は平成4年開催で、令和元年までに28回の表彰が行われています。近年では、毎年420人前後の人が建設マスターに選ばれています。ちなみに、正式名称は優秀施工者国土交通大臣顕彰といいます。
建設マスターの表彰対象
・技術や技能が優秀であること。
・工事施工の合理化などに貢献していること。
・後進の指導育成に努めていること。
・安全や衛生の向上に貢献していること。
・他の建設現場従業者の模範となっていること。
これらの項目全てに当てはまり、現役で活躍している個人を対象として表彰されます。
建設マスターの顕彰方法
1年に1回、顕彰式典を実施し、被顕彰者に国土交通大臣から顕彰状と徽章(きしょう)が授与されます。ちなみに徽章とは、身分や職業などを表すために、帽子や衣服につけるしるしのことを指します。
建設マスターの選考方法
さて、この栄誉ある建設マスターの称号を与えられる人は、一体どにょうな方法で先行されるのでしょうか。まずは、業界団体や都道府県及び地方整備局から推薦されます。その推薦者を審査していくのですが、審査するのは優秀施工者国土交通大臣顕彰審査委員会という委員会になります。この委員会は、学識経験者や業界関係者、行政関係者などから構成されています。「建設マスターの表彰対象」であげた項目に沿って、栄誉ある賞を受賞する人が決まっていくのです。
対象となる職種
建設マスターになるには、要件があります。
・原則、年齢が40歳以上60歳以下の者
・現場業務の従事期間が20年以上の者
・無事故機関が3年以上である者
などです。
さらに、これの対象となる職種を以下に紹介していきます。
・解体工事事業関連(大工・とび工・土工・コンクリート工・鋼構造物工・鉄筋工)
・仕上げ工事業関連(左官工・石工・屋根工・タイル工・レンガ工・ブロック工・板金工・ガラス工・塗装工・防水工・内装仕上工・建具工・法面工・道路標識設置工・畳工・ALC工・広告物設置工)
・設備工事業関連(電気工・配管工・機械器具設置工・熱絶縁工・さく井工・電気通信工・水道施設工・消防施設工)
・基礎・その他工事業関連(ウェルポイント工・アンカー工・ボーリング工・注入工・舗装工・しゅんせつ工・造園工・清掃施設工・トンネル工・シールド工・潜函工・潜水士・軌道工・建設機械運転工・推進工・解体工・はつり工・切断穿穴孔・橋梁特殊工・粗朶沈床工・ひき家工)
2019年受賞者は!
こちらのPDFは、国土交通省が掲載している2019年度の建設マスターの名簿です。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001310592.pdf
また、こちらは建設ジュニアマスターの名簿です。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001310593.pdf
建設マスター456名、建設ジュニアマスター105名となっています。
ちなみに、こちらのデータベースでは過去の受賞者を検索することができます。
https://www.kensetsu-kikin.or.jp/humanresources/master/kenshosya/search_master.php
建設ジュニアマスターって?
ジュニアマスターは平成27年度から、次世代の建設現場の担い手を確保・育成することや建設マスターになるまでの技術・技能の向上を図ることを目的として、青年技能者を表彰する制度です。選考基準は、
・技能・技術が優秀であること
・工事施工の合理化等に貢献していること
・将来その活躍が一層期待されること
・安全・衛生の向上に貢献していること
・他の建設現場従業者の模範となっていること
となっており、「将来その活躍が一層期待されること」という項目が建設マスターとは異なる部分です。ちなみに、ジュニアマスターの場合は、
・建設現場業務期間10年以上の者
・建設現場業務に直接従事している年齢39歳以下の者
・無事故期間3年以上の者
以上が選考要件となります。
建設マスターになるとどんなメリットがある?
名簿やデータベースを見ていただくとわかるように、受賞者は氏名だけでなく所属している会社が公開されます。このため、受賞者が出た会社は知名度信頼度が上がり仕事が増えるというメリットがあります。受賞者本人としては、そうした貢献度から給与や待遇のアップが期待されますね。実際に、会社のブログなどでは受賞した旨を紹介している記事などもたくさんアップされているようです。大きな宣伝効果が期待されるわけですね!
まとめ
今回は、国土交通省による建設業界系表彰制度、建設マスターについて紹介しました。この業界でこつこつ頑張っていれば、いずれ推薦を受けて建設マスターの称号を手に入れられるかもしれないですね!また、それを一つの目標として日々の業務に専念することもモチベーションアップにつながるかもしれないですね。