お客様は見ている!作業中の喫煙・ポイ捨て「マナーを守る」は監督の仕事
本ブログでは、管理者となるための資格について多くご紹介してきましたし、都度その仕事内容についても大まかには触れてきました。しかし、詳しい内容についてはあまり触れてこなかったので、今回は現場管理者の仕事についてご紹介した上で、現場の作業員たちのマナーが悪いことは一体どこがに責任の所在があるかということについて考えていこうと思います。
俗にいう「現場監督」
建築・土木関係の仕事は、現場作業員と俗にいう「現場監督」という人によって行われていきます。これが、現場の責任者であり管理者のことで、基本的にはそういった立場に立てるよう資格を持っているものです。ここで言う現場監督というのは、一戸建て住宅を建てる時に現場の大工さんの中に存在する親方や棟梁なども含まれます。さらに、大きな建設工事を行う際には、建設会社によって工事が取り仕切られますが、その中で作業自体はそれぞれの分野を得意とする下請け会社が行う場合がありますね。この時の現場監督は、工事を取り仕切る建設会社が行いますので、要するに他社の作業員を総括するという仕事になると思ってください。
現場監督の仕事
現場監督の仕事は基本的には4つに大別されます。
・工程管理
・原価管理
・品質管理
・安全管理
工程管理とは、工事のスケジュールの管理のことを指します。この管理のために、工程管理表というものを作成することになりますので、そういった事務的な仕事もあるということになりますね。さたに、事務作業の中には、原価管理と呼ばれるお金を扱うものも含まれることがあります。予算と実際にかかった費用を比べながら、予算を超えないように調整していくのも仕事の一つです。そして、実際の工事では設計書通りに工事が進められているか、使われているものが仕様書通りになっているかなどを確認しながら品質を管理していきます。このため、施工中の写真などを撮って、記録をつけるのも仕事の一つです。そして、作業員たちの安全を確保し、事故やケガなく工事を進められるように管理するのも仕事のうちです。こうした安全管理の中には、清掃や整頓が含まれるほか、作業員のマナーの管理も含まれているとされます。これだけ見ると、作業員のマナーが悪い場合、その責任は現場監督にあると言えそうな気もしますね。そもそも、作業員のマナーが悪いというのは一体どういうことなのでしょうか?
問われる作業員のマナー
そもそも、現代社会は「社会人のマナー」が昔より厳しくなっていると認識した方が良さそうです。昔はどんな職種でも、仕事中の喫煙や場合によっては飲酒なども許されることがありましたが、今そんなことが許されることはありません。これは、社会全体がそうなのです。しかし、建築現場や土木現場では依然として昔の風習が残っている場合があります。それが、顧客にとっては信じられないマナーであるということがあるのです。例えば、
・基礎工事中に喫煙、吸い殻をその場に捨てる。
・工事中に飲んだ缶コーヒーの空き缶をそのまま、埋める。
・明日も使うからと道具を出しっぱなしにする。
・工事の際に、ご近所への配慮がない。
こういった事例です。これは、実際に現在でも住宅を建てる施主などによって寄せられる不満の声です。特に多いのが作業中の喫煙です。確かに、工事自体は外で行われているので大丈夫かな?と思いますが、今は煙草を吸える場所の方が少ない時代、休憩時間に車両内で吸うのがマナーですし、吸い殻をその辺にポイ捨て、まして基礎に埋めてしまうなんてもってのほかです。
しかし、こうしたマナーの悪さが横行するのは、原因があると考えています。
「待遇の悪さ」が影響している
昔は、作業中の喫煙は当たり前に行われていましたし、吸い殻を自分で処分するという習慣もなく、当たり前の光景でした。そういった風習が受け継がれていると言えば、そうなのかもしれません。しかし、現在でも無くならない作業員のマナーの悪さには、それ以外にも原因があると思っています。そのうちの一つが「待遇の悪さ」です。
昔は、住宅を建てる際には、住宅メーカーを通すということはありませんでした。大工さんたちが集まって、棟梁が指揮をとり、施主は材料費と職人さんたちへの賃金を支払うという構造でした。今ほど人との距離も遠くなかったので、施主は施工してくれる職人さんたちに差し入れを頻繁に行いましたし、敬意を持っていました。しかし、残念ながら今は違います。施主は、基本的に住宅メーカーで家を建てます。そうすると、施主が支払った代金は、住宅メーカーにまず吸い上げられます。しかし、住宅メーカーが行う工事は基本的に下請け業者です。しかも、会社によってはかなり安く下請け業者を買いたたいています。そんな中で、あれやれこれやれと注文ばかり降りかかってくる。昔と違って、施主はそれほど差し入れにも来ません。そういった「待遇の悪さ」は少なからず、現場の作業員たちのマナーの悪さにつながっているのではないでしょうか?
顧客は意外と見ている
実は、顧客は意外とそういった様子を見ています。顧客のみならず、周囲の住民もその様子を見ています。何が問題かというと、そういった態度が会社の信用を容易に傷つける時代だということです。現場作業員のマナーの悪さはすぐに、SNSなどでアップされてしまいます。会社名も最悪写真も一緒にです。こうした行為が、会社の信用を傷つけ、顧客は減り、最終的には自分の仕事が減ってしまうというところに行きつくということを忘れてはなりません。そうならないために、現場監督は作業員たちを労りつつもマナーの大切さを指導していく必要があります。
まとめ
もちろん、真剣に現場で作業をしている人はたくさんいます。そういう中で、こうしたマナーが悪い作業員のせいで、仕事そのものの信用が落ちていくのは良くないことです。こうした悪いイメージというのは払しょくすることが難しいのです。現場で作業する人たちの待遇が少しでも改善されることを願うと共に、作業員一人ひとりがマナーを守って仕事に取り組んで欲しいと思います。