【最新の建築】自己修復型コンクリートの技術を追う

自己修復型コンクリート

前回、自己修復型コンクリートには色々な種類があることとその概要、そして活用方法について大まかにご紹介しました。今回は、自己修復型コンクリートについてもっと詳しくご紹介していこうと思います。

 

自己治癒コンクリート

さて、前回は特にバイオ技術を応用した自己治癒コンクリートについてご説明しましたが、會澤高圧コンクリートによる自己治癒コンクリートの紹介動画がありましたので、是非ご覧になってみてください。

バイオ技術を活用した「自己治癒コンクリート」

しかしこれは、自己修復型コンクリートのほんの一例にすぎません。自己修復については、大まかに3種類に分類されることはお伝えしましたが、さらに下記のようにメカニズムが分類されます。

 

自然治癒(Natural healing):材料設計などに特別な配慮を講じずとも、例えば水分などが存在 する環境下でコンクリートのひび割れが自然に閉塞する現象

自律治癒(Autonomic healing):水分などが存在する環境下でコンクリートのひび割れを閉塞、 あるいはそれを促進させることを期待し、適切な混和材の使用などの材料設計を行ったコンク リートにおいて、ひび割れが閉塞する現象

自動修復(Activated healing):自動的な補修作業を行うことを目的としたデバイス類があらかじめ埋設されたコンクリートにおいて、その機構によってひび割れが閉塞する現象

自己治癒(Autogenous healing):自然治癒と自律治癒を包含する概念で、水分などが存在する 環境下でコンクリートのひび割れが閉塞する現象全体

設計型自己治癒/修復(Engineered healing/repairing):自律治癒と自動修復を包含する概念で、 ひび割れの閉塞・補修を目的として材料設計が行われたコンクリートを用いることにより、ひ び割れが閉塞する現象

自己治癒/修復(Self healing/repairing):これらの人間の手に拠らないひび割れ閉塞現象の全体

【参考】 Healing, autogenous — a natural process of filling and sealing cracks in concrete or in mortar when kept damp. (ACI の定義より)

【引用】http://www.jci-net.or.jp/j/jci/study/oldlist/committee/tc075b/STAReport_JCITC075B.pdf

 

実はこれまでも、従来のコンクリートの劣化の際に「自然治癒」が起こる例が、古くから確認されていました。様々な環境条件が一致して、そのような現象が起きていたのでしょう。これを人工的に生じさせることができるようになったのが、自己修復型コンクリートの技術です。

 

バイオ技術を用いた自己治癒コンクリート例

會澤高圧コンクリートによって開発・研究されてきたバクテリアを利用した自己治癒コンクリートの他にも、世界中でバイオ技術を用いた自己治癒コンクリートの研究が進められています。その例をいくつかご紹介していきます。

 

<イースト菌や納豆菌を活用した自己治癒コンクリート>

これは、菌を活用したコンクリートになります。原理は、バクテリア利用の自己治癒コンクリートとほぼ同じで、イースト菌や納豆菌の特性を利用して、炭酸カルシウムを蓄積させるというものになります。この自己修復のためには、ひび割れに直にこれらの菌類と、炭酸カルシウムを創り出すためのカルシウム源、塩類の栄養素からできているバイオグラウト液というものを注入することで、修復させていくことになります。この技術は、国内にイースト菌や納豆菌があるため、実用化しやすいという点でメリットがありますが、自己治癒に至るまでに若干手間がかかるようにも思えますね。ちなみにこの研究は、日本の研究者たちによって進められています。

 

<魔法のマッシュルーム>

怪しい響きですが、「魔法のマッシュルーム」、これを用いたコンクリートの自己修復の研究がニュージャージー州の研究者たちによって行われています。高いアルカリ環境の中でも発芽し、コンクリート内で繊維状の組織を発達させる、トリコデルマ・リーゼイという菌を発見し、それを活用しようという研究です。なんとも都合の良い菌ですね!この菌、拡大するとマッシュルームのような形をしています。このため、魔法のマッシュルームと呼ばれているんですね。コンクリートのひび割れに、菌類の繊維を発達させ、炭酸カルシウムを形成させることで、コンクリートの自己修復を促していきます。

 

バイオ技術を用いない「自己修復型コンクリート」

バイオ技術による自己治癒コンクリート以外にも、バイオ技術を用いずに自己修復をさせる技術も研究されています。

 

<マイクロカプセルを混入する>

コンクリートにあるマイクロカプセルを混入させることで、ひび割れが起きた時にマイクロカプセルに含まれる修復材が機能して、修復するという仕組みです。マイクロカプセルの他に、細いガラスパイプを埋め込むという方法も検討されています。

 

<全自動自己修復システム>

これがまた、人間のすごさを思い知らされる技術です。人間は、けがをした時に血が出てかさぶたができて、治るという自己治癒能力を持っていますね。これを応用したのが全自動自己修復システムです。コンクリートを打ち込む際に、コンクリート内に血管のようにチューブを張り巡らせます。このチューブはコンクリートがかたまったら引き抜くのですが、そこにできた空洞に特殊な液体を流し込むことで自己修復を促します。血を巡らせるようなイメージですね。発想がすごいです。

 

まとめ

自己修復型のコンクリートについて様々な種類のものをお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。実は、紹介しきれなかったものがまだまだたくさんありますので、興味があれば是非調べてみてください!

最後になりますが、こちらの動画で會澤高圧コンクリートによる自己治癒コンクリートの講演を観ることができるのでご覧になってみてください。

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